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「好きやで」




退屈な数学の授業をサボって、校舎裏の芝生の上で猫と戯れる横顔を眺めながら寝転んでいた。
風が吹く度にゆれるふわふわのくせ毛に向かって猫がパンチをしかけるのが面白くて、ついからかいたくもなる。

「千歳」

一言呼ぶだけで猫にだけ向けられていた眼差しは俺にだけ注がれる。
遊びを中断させられた猫は不満そうに、 にゃあにゃあと叫びながらくせ毛を絡め取ろうと小さな手を伸ばしていた。

「好きやで」

相変わらずふわふわの髪に向かって手を伸ばす猫に見せつけるように、ふわふわのくせ毛を指に絡めた。

「俺もたい」

ふにゃりとだらしなく口元を緩ませて笑うものだから、こちらもつられて笑ってしまう。

「嘘や」

そう言うと、さっきまでふにゃりと笑っていた顔が一瞬でこの世の終わりのような絶望的な顔に変わるのが面白くて、また笑ってしまった。








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何を思って書いたのかは私にも分からないです。








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