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タブレット




大切の基準は、あなたと私では大きく違う。
私は包んで、あなたを呑みこむ。

「ゆーじ、どこ、行ってたん?」
「蔵、部活やろ。なんでここおんねん」
「ユウジが心配やから、迎えに来た」

モノマネライブが終わっても来ないから、本当に心配していたんだ。
ユウジは溜め込むほうだから、なにか辛いことでもあったのではないかと、そればかりそればかり気になってしまっているんだから。

「部長がおらんかったらあかんやろ。はよ戻れや」
「ユウジが一緒やないと、戻りとうない」

そうやって口を曲げる姿もいじらしい。
この後、担任に呼び出しをされているのは承知だが、ユウジも一緒に部活に行きたいはずなので悩んでいるためだろう。

「ユウジ?」
「行くんならはよ行くぞ」

ほら!なんだかんだでこうしてついて来てくれるのだ。
しかし遅くなって担任に小言を言われるのも可哀想だ。ライブが終わったらすぐに来いと言われていた筈だから。

「ユウジ、職員室に行かへんの?」
「…知っとったんか」
「当たり前や。ユウジのことならなんでも知ってんで」
「アホか、キモイわ」
「ユウジ、一緒に行ったるから、機嫌直して」

ユウジのことならなんでも分かるよ。
でも行ってくれないと、ユウジのこと、もっともっと理解したいんだ。
そんな顔しないで、私に話して、私を頼って。

悲しいなら、呑み込んであげるから。
私が丸ごと、愛してあげる。









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マクロスF cosmic cuune より『タブレット』
曲とはまったく関係なくなってしまったのですけれども、一応。
ちょっと病んだ白石のはずなんですが、なんとも微妙。








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