私と、わたし以外虚勢張って強がって、僕は一人を隠していた。 一人じゃないって言い張って、僕は一人になってった。 「テニス部に入らへんか」 目の前は真っ白。 思考はブラックアウト。 緑頭の先輩は、ぎこちなく笑っている。 現実と、自分の殻と、僕とその他との温度差と、そういう全ての差に嫌気がさして、いや、受け入れられなくて。 「あぁ、無理にとは言わへんから。気が向いたらでええから」 そう言われて入った。 少しだけ、この場所も楽しいと思えるようになってきた。 ある日の部活。いつもの部活。 「ひかるー!柔軟手伝ってやー!」 人懐っこく笑顔を振りまく姿が羨ましくて、 「そんな大きな声ださんといてください、ユウジさん」 僕は過去の自分を恥じた。 ---------------------------- なんでもない話 |