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▼  V 

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不健康そうだなと思っていると、不健康そうだなと言われて驚いた。

「や、あなたのほうが絶対不健康だと思いますよ。寝てます?」
「問題ない。医者志望だからな」

何が問題ないのかはよく分からなかったけど、可笑しそうに笑ったその笑顔は思いのほか優しくて、気付けば私は初対面にも関わらず愚痴を零していた。

「へぇそりゃまた馬鹿な男だな」
「でしょ?やっぱり普通じゃないよね?」

「少なくとも俺ならそんな面倒なことはしねぇな。首輪でもつけて繋いでおく」
「え、なにそれ。ローってちょっと危ない人?」

隈男はローというらしい。私たちは思いのほか話が弾んで、立ち話もなんだからと近くのファーストフードにやってきた。

「俺だったら自分の惚れた女をずっと傍に繋い…置いておくって意味だ」
「だよね?なんかところどころ発言が怪しいけど言いたいことは分かったよ。私もそれに賛成!好きなら傍にいようよ派です!」

「よし、じゃあ付き合うか」
「うん!…へ?」

何故かローに告白された。
買い物に付き合ってとかそういう意味じゃないよね?と確認すると当たり前だと不機嫌そうに言った。不機嫌になると拗ねたように唇を少し尖らせるのはクセなんだろうか。ちょっと可愛い。

「俺は惚れた女はずっと傍に置いときたい派なんだ。それなりに大切にもする。お前は俺といたほうが幸せになれる」
「その自信はどこから来るの」

「俺が惚れたからだ」
「…言ってる意味が、」
「俺が惚れた女は幸せになる。なぜなら俺から想われるからだ」

ますます意味が分からなかったけど「喜べ、幸せ確定だ」と言いながら微笑む目元がとても優しくて、俺様発言とのギャップがなんだかとてもいいなと思った。

【俺様の引力】

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