vanish8 | ナノ





vanish8

 ズルリと葵のペニスが出ていく。冷房からの冷たい風が肌をなで、慎也の体が震えた。夏休み中は生でされる回数が多くなる。義理の母親が夏休みの間だけ市内のカルチャースクールに通うからだ。
 慎也はすぐに起き上がる気にならず、しばらくベッドの上でぼんやりとしていた。勉強机のすぐ右の壁には塾の夏期講習の時間割と学校の講習の時間割が並んでいる。火曜と木曜は午前中だけのため、午後からは空いていた。日曜も休みだ。
 コンビニで要司に会える日も減っている。だが、彼とはメールで連絡を取り続けていた。あの近くの現場はもうすぐ完成らしい。そうなると、ご飯を買う時くらいしか、あのコンビニには行かないかもしれないと言われた。だから、今度の日曜、家に遊びにこないか、と誘われていた。
 ベッドに転がっていた慎也は、金曜と土曜が終わればやって来る日曜に小さな笑みをこぼす。全裸のままの葵が戻ってきていることに気づかなかった。
「何で笑ったんだ?」
 葵の声に慎也の体が跳ねた。
「……慎也、少し前からタバコのにおいがするんだよ」
 葵が不機嫌そうに慎也の制服を手に取る。ポケットに入れたまま、わざとサイレントモードにしている携帯電話を取り出した彼は、指先でボタンを弾いた。
「バイブレーションすら鳴らないサイレントモードに、暗証番号設定」
 こちらを見た葵の瞳がひどく冷たい。慎也はベッドの上で、その視線から逃れるように顔をそむけた。
「暗証番号は?」
 言わなければひどいことをされると分かっていた。だが、慎也は言いたくない。要司のことは隠しておきたかった。大きな溜息の後、葵はベッドの下へ手を伸ばす。
「や……やだ」
 ベッドから降りて逃げようとした慎也の体を大きな手の平がつかむ。ベッドへ体を押さえつけられた後、無機質な音が頭上で響いた。内側にクッション素材のついた、手首に負担をかけないタイプの手錠が、慎也の手首とベッドパイプを固定する。
 足はいつものように白いビニール紐で左右のベッドパイプへ結ばれた。ベッドの下にあるボックスには葵がこれまでに使用した玩具が入っている。彼の手がいちばん卑猥な形のバイブレーターに伸びる。
 慎也はむせび泣いた。泣いても意味がないことは慎也自身がよく分かっている。暗証番号を言わなければ許してもらえない。だが、要司とのことは隠しておきたかった。
「俺がどんなに慎也のことを思っているか、ちゃんと伝わってなかった?」
 黒いシリコン製のバイブレーターは先の部分の突起に別のモーターが仕込まれており、全体とは異なる動きをする。ちょうどその先端部分が慎也の前立腺へ当たるため、慎也はその玩具でいじられるの嫌だった。
「……0511」
 暗証番号は慎也の母親の誕生日だった。葵がバイブレーターから手を離して、携帯電話を操作する。
「牧って誰?」
 慎也がくちびるを噛み締める。それを見て葵が、バイブレーターの先をアナルへ当てた。バイブレーターは先端部分はそこまで太くはない。中出しされてまだ濡れている慎也のアナルは、その先端を簡単に飲み込んだ。
「っい、ぁ、あ、や、あ、と……友達」
「清陽の?」
 ぐっと押されて、バイブレーターが根本まで慎也のアナルへ埋まる。慎也が嗚咽も漏らしながら、黙っていると、葵は非情にももう一度バイブレーターを取り出した。そして、いやらしい液体を垂れ流しているアナルへ再度押し込む。
「っひ、ァアア、あお、葵っ、やめっ」
「清陽にタバコを吸ってる悪い友達がいるのか?」

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