ひかりのあめ10 | ナノ





ひかりのあめ10

 男の指がジェルとともにアナルへ入ってくる。俊治はガムテープでふさがれた口からくぐもった声を漏らした。男の指は的確に前立腺を探し出し、男はそこを引っかくように指を動かす。俊治は腰を引いたが、勃起したペニスはもはや隠しようがなく、俊治の目の前にいた男が右へ回って、ペニスをつかんだ。
 男はペニスからあふれた先走りを指に絡ませ、俊治のペニスをもてあそぶ。催淫剤で感覚がおかしくなっている俊治には、強すぎる刺激だった。白濁がじゅうたんを汚していく。
 アナルをいじっていた男が、何も言わずにペニスを突っ込んでくる。俊治は男のペニスを奥深くまで受け入れた瞬間、また射精してじゅうたんを汚した。涙が頬を伝い、揺すられるたびに落ちる。
 俊治のペニスをいじっていた男が、目の前でペニスを取り出した。ガムテープを外された後、俊治は大きく咳き込み、嗚咽を上げながら拒否した。体は快楽を求めていたが、休みなく訪れる絶頂に頭がおかしくなりそうだった。
「噛むなよ」
 あごをつかまれ、男がペニスを押し入れてきた。舌で押し戻す暇もなく、男のペニスが喉奥まで届く。苦しくて涙があふれた。うしろで男が突くたび、喉深くにペニスが入り込んでくる。
 仰向けにされた時、電気のまぶしさで目を開けた。アナルも口もペニスも精液やジェルで濡れており、俊治は不快感に目を閉じようとする。電動音に体が跳ねた。アナルの中でバイブレーターが動いている。
 よく見ると、ペニスにも小型ローターがガムテープで巻かれていた。だが、俊治のペニスはすでに力を失っている。ローターよりも、アナルの中にあるバイブレーターのほうが問題だった。前立腺に当たっているそれは、俊治の体を刺激してした。もう出すものがなく、ペニスの亀頭部分が赤くなり、ひくひくとうごめく。その瞬間、俊治の頭は真っ白になり、意識が飛んでいった。

 次に目が覚めた時、携帯電話のアラーム音が響いていた。今日は早番だ。俊治はそう思ったが、体が動かないことに気づき、視線だけをめぐらせた。両腕をガムテープで拘束されたまま、口もふさがれている。電池が切れたのか、バイブレーターもローターも動いていなかった。
 俊治は腕を動かして、口をふさいでいるガムテープをはがした。
「っは……ん、ぁ」
 アナルの中からバイブレーターを抜き、ペニスに巻かれているガムテープも外そうとしたが、うまく手が動かせない。
 俊治は泣きながら、立ち上がり、キッチンにある包丁を探した。刃先をうまくガムテープに当てられず、ずれた瞬間に手首が傷つく。傷は深くはなかったが、何度も繰り返すうちに、俊治の手は血だらけになった。
 アラーム音ではなく着信音が聞こえる。俊治は自由になった手で携帯電話をつかんだ。
「シュン? 五分遅刻だけど、まだ家か?」
 店長の声に俊治は鼻をすすった。
「何だ? 風邪? 大丈夫か?」
 体のだるさと頭痛に、俊治は言葉を発することができず、ただ電話口で嗚咽を上げた。
「どうした?」
 店長の心配そうな声に、何とか、大丈夫ですと返事をする。
「だ、大丈夫です。風邪、引いたみたいで、すみません」
「分かった。今日はもういいから、ゆっくり休め」
「すみません」
 俊治は電話を切った後、ペニスとローターを密着させているガムテープをはいだ。自分で招いたことだった。ちゃんと断らなかったから、こんなことになっている。
「馬鹿だなぁ」
 声に出すとまた涙があふれた。ここから這い上がる術を、俊治は知らない。きしむ心の音に気づかない振りをした。

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