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「ここへ」
 デミアスに呼ばれて、二人の前に立つと、デミアスが視線を合わせるようにひざを曲げた。
「これから、おまえは我々の言うことをしっかり聞くんだ。我々に背くようなことはあってはならない」
 背くようなことがあれば、ユハの育った村を燃やすと言われた。明るい陽射しの入ってくる部屋の中で、最初に下された命令は服を脱ぐことだった。
 使用人に着るのを手伝ってもらった服を時間をかけて脱ぎ、次の命令に従う。ベッドに座った上級神官が大きく股を広げた。
 すがるようにデミアスを見上げると、デミアスは同じ命令を下した。
「ペニスを取り出して、口でくわえろ」
 ユハが動けずにいると、股を寛げている上級神官が自らすでに大きくなっているペニスを取り出した。それを口にすることなどできない。ユハは怖くて、逃げ出したくて泣いた。だが、泣いても何も変わらない。
「役に立ちたいなら、くわえろ。おまえが命令に従うだけで、聖地グルントは強国から守られ、肥沃な土地に多くの恵みをもたらす」
 それが嘘か本当か、ユハに分かるのは数年後だった。泣きながら、ペニスを小さな口へ含む。ろくに舌を動かせず、ただ含んだだけで、口内でペニスが弾けた。泣きながら、口から精液を垂れ流すユハの様子に、上級神官はいやらしく笑う。
「これは本当にいいものを見つけた」
 以後、二年間、ユハは部屋の中で上級神官達のペニスをくわえ、男を喜ばせる術を覚えさせられた。

 十歳になれば大人として数えられる。デミアス達がその時を待っていることは感じていた。
 部屋から出られないユハだったが、使用人とともに湯浴みに行くことは許されている。一度だけ、使用人の制止を聞かずに飛び出したことがある。結果、捕らえられたユハは鞭打ちの罰を受け、使用人は水責めに合った。使用人まで責められているのを見せつけられたユハは二度と逃げてはいけないと学んだ。
 デミアスは事あるごとにユハに同じ話をした。ユハが命令通りにしなければ、聖地グルントは滅びるという話だ。最初は意味が分からなかった。
 だが、十歳になり、アナルで男を喜ばせる術を覚えた時、うっすらと自分の立場を理解した。
 十五の時、ユハは最高位の上級神官として、諸国七ヶ国の国王からも承認を得た。異例の若さであった。
 ユハは表向きでは、とても強力な回復魔法が使える神官として有名だった。ユハに備わった慈愛の性質はケガだけではなく、病気も治せるという話が出たほどだった。だが、ユハは神殿へ来て七年余り、法力の修練をしていたわけではない。実際のユハには切り傷を治す程度の力しかなかった。
 ユハの現在の地位は、上級神官達の巧みな外交により作られた。そのために必要だったのはユハの体だ。ユハは命じられるまま、各国から遣わされた人間達の相手をした。
 ユハは役に立っている、と言われることに救いを見出していた。聖地グルントを守り、現在の平和を持続させるための犠牲だと言われれば、ユハはどんなことにでも耐えた。
 文字が読めず、書くこともできないユハに、デミアスが唯一教えてくれたのが名前だった。ユハは自分の名前だけでも書ければ、孤児院の先生達に手紙を出せると思っていた。
 デミアスに名前だけ書いた手紙を渡すと、送っておくと言われた。ユハは笑って礼を言った。そのまま出ていくのかと思っていたら、壁に手をつけと言われる。ユハはほほ笑みを絶やさず、壁に手をつき、貫頭衣の裾をめくり、尻を突き出す姿勢をとった。

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