twilight11 | ナノ





twilight11

 イトナミ大佐が髪をつかみ、チトセを背後から押さえつけた。彼はそのままチトセのアナルを犯す。
「っやめ、た、たい、さ」
 貫かれた時、チトセに痛みはなかった。ただ熱いと感じた。その熱が徐々に痛みに変わったものの、イトナミ大佐が動き始めると、痛みはまた熱に変わり始めた。チトセは拳を握り、泣きながら目を閉じる。
 まだ虹が見えた。大人しくすると、イトナミ大佐はチトセの後頭部をなで、背中へ手を滑らせる。うしろから抱えられるような状態になり、抱き締められているという感覚に新たな涙を流す。
 不本意な形だった。それでも、頭をなでられたり、抱き締められたりした記憶がないチトセには、胸を満たすのに十分な接触だった。目を閉じて終わるまで待てばいい。タカサトもきっとそうやってやり過ごしてきたのだろう。チトセは藤棚の下のベンチに座り、虹を見上げる。
「っああ、ン、い、あ、っい」
 チトセが感じるままに声を出すと、大佐達は目配せをした。
「薬が効いてるようだ」
「夢の世界では、何でも思うままだぞ」
 イトナミ大佐に耳元でささやかれ、チトセはうっすらと目を開く。顎をつかんでいたキリタ大佐が、彼のペニスをチトセの口の中へ突っ込んだ。
「っん、ゥウ」
 チトセはまた目を閉じる。ベンチに座った自分の隣に、女性が座っていた。今も胸元で揺れているロケットペンダントの中にある写真の女性と同じだ。
「っう、ん……っ」
 目を閉じている間は母親に会える。チトセはアナルと口を犯されながら、笑みを浮かべていた。イトナミ大佐の手でしごかれたペニスから精液が飛び散る。強烈な快感は、網膜の裏で花火のように弾けた。

 チトセは大佐達のテントへ三日三晩、監禁されていた。日数を知ったのは、あとからだが、その時の記憶はほとんどない。二人から与えられる薬と快楽に溺れていただけだ。タカサトが来たのは四日目の昼だった。
 チトセは奥の空間にある簡易ベッドへ、横になっていた。喉の渇きは異常で、大佐から支給される水だけでは足りず、彼らが隠しているウィスキーも飲んでいた。
 タカサトが中へ入ってきた時、チトセは空になったスキットルを手にして、頭上でくるくると回していた。つい先ほど、イトナミ大佐から錠剤をもらい、気分がよくなっていた。
 錠剤をもらう前は、体中がそれを欲して、それをもらうためなら、何でもした。セックスを終えたばかりの体はだるかったが、錠剤を飲んだ後、気持ちはとても楽になった。目を閉じると、母親に会える。
「アラタニ少尉……」
 自分を呼ぶ声に視線だけ向けると、タカサトは険しい表情を見せた。
「酒を飲んでいるんですか?」
 責めるタカサトに、チトセは空になっているスキットルを振って、飲んでいないと主張した。
「この三日間、何を、していたんですか?」
 ゆっくりと怒りを抑えながら、放たれる言葉に、チトセは小さく笑った。汚れた体を拭いてもらい、きれいに洗われた制服を着ることができた。下着すらはかせてもらえなかったチトセには、十分、喜びに値することだった。
「今の状況が分かっているんですか? 隊はレイズに攻め入りたい兵と本部からの指示を待つべきという兵で割れて、雰囲気も悪くなっているのに、あなたは」
 仕切りになっていた布の間から、キリタ大佐が顔を出す。
「タカサト、アラタニ少尉を責めるのは後にしろ。これが彼のポケットから出てきたんだ」
 キリタ大佐の手には錠剤が入っていたシートがあった。


10 12

main
top


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -