笑って はしゃいで 楽しい そんな毎日が続くんだと思われていた。 オレも、彼女も、みんなだってそうだ。 けれど そんな毎日は過ぎ去ってしまったんだ。 同級生の、一言によって。 「城之内が、生徒会のやつにやられたって!!」 GX学園中等部 生徒会 この中等部内での最高権力者たちの集まり。 といっても彼ら個人には特に秀でた能力はない。 ただ、兄弟姉妹がもともと生徒会だったという理由で推薦されて生徒会に入れただけの者たちなのだ。 そして奴らは同時に学園内の脅威でもあった。 暴力で人を従わせようとするのが奴らのやり方。 だが、そんな権力の下で従う生徒がいる中、反発する生徒もいるのは事実で。 そんな生徒たちと生徒会の衝突は珍しくなかった。 しかし、今しがた名前を上げられた『城之内』という生徒はそのどちらにも所属してはいなかった。 ただ毎日を楽しく過ごしているだけの、可愛らしい少女だったのだ。 「舞姫…が…?」 「あ、遊城!やばいって…城之内のやつ、相当殴られてる!!」 「嘘だろ?舞姫、何かしたのかよ!!」 教室に入るなり情報を告げた生徒に、すかさず反応したのは遊城十代。 彼女の幼馴染だった。 他にも、彼女と幼少時代から仲のいい生徒たちが反応するが、生徒会のことを恐れて立ち上がることはしない中、十代だけはその席を立ちあがって生徒に詰め寄る。 「いや…何にもしてねーけど…廊下歩いてたら突然掴まれて、生徒会室に…って遊城!!?」 生徒が言い終わるかの間に、十代は教室を飛び出す。 彼女は自分の知る限り今まで暴力とは無縁の人間だ。 そんな彼女が圧倒的な暴力に晒されたならどうなるか、目に見えている。 十代は息も絶え絶えになるほど急いで生徒会室を目指した。 過去編@ |