「十代ってさ、孤独ってどう思う。やっぱ、一人って寂しいと思うか?」 「ウチって両親不在のこと多かったしな…一人ってことが特に寂しいと感じることはねぇかな」 何かにつけて一人になりたくないのか、女子はよく群れる傾向がある。班決めのときも、そして移動教室の時も、昼食のときも。 丁度今は昼時で。そんな光景を見ながら、十代のクラスに来ていたヨハンがふと言葉を漏らした。 「一人、ってのが孤独に結びつくとは限らない、ってことか」 「そうそう。孤独ってのはさ…誰にも理解されないことじゃねーの?」 「え…?」 「中学時代、オレ、そんな感じだったからさ」 あの時は、何もかもに苛立って。舞姫を傷つけた人間も、そして自分から離れていった人間も。 そして残ったのは苛立ちと汚い感情と、暴力。 心の中には自分がどうしたいのかはわかっていた。だが、それを伝える術も言葉も持たない十代は誰かに気づいてほしくて。理解されたくて。 手を伸ばした先には彼女がいて。 その笑顔も心も穢れなくて。 『今は感情のコントロールができなくなってるだけ。舞姫はそう思うよ』 『落ち着くまで、ううん、落ち着いても、ずっと傍に居るから……安心していいよ』 傍にいるだけで大きな愛に包まれるような感じだった。彼女が発した言葉は、素直に心に溶け込んでくるような。優しい言葉。 あの言葉にどれほど救われただろうか。 あの日のことを思い出しながら、十代は穏やかな表情を浮かべる。 「舞姫に理解してもらえるならそれでいい。だから、舞姫を失うことがあるなら、それがオレの孤独、かな」 「ふーん。でも、ホント、十代って舞姫好きだよなー。もう生活の半分以上もってかれてる感じ?」 「まぁ…な。あの日から…ずっとそばに居続けてくれた舞姫には、感謝してもし足りねぇくらいだ。だから、オレは舞姫の為に出来るだけのことをするつもりだ」 「しすぎって感じもするけどな…オレは」 2月5日あなたの一番怖いもの 十代は凡骨娘がいなくなったら多分また覇王化しちゃうんだよ。 |