※ヨハン視点 「おーい。十代ーいるんだろ?」 「おー、ヨハンか。入っていいぜー」 生徒会室のドアを開け中に入って声をかけた。一応オレはこれでも生徒会に準じた機関の人間だったりする。正式には生徒会監査部門所属で、生徒会の中立を保つための機関の監査部長という立場だ。 簡単に言うと力を持ちすぎる生徒会を抑えるために同じ実力を持った人間を別の機関として運用しているのだ。もし監査部門が暴動を起こせば生徒会が、またその逆があれば監査部門がという風に両方の力の均衡を保つ。 まぁ、んなのは表向きだけで。表も裏でも監査部門と生徒会の人間は古い付き合いなので、割と仲がよかったりするのだが。 そう、オレと十代のように。 「で、お前らは何やってんだよ」 「何、ってみりゃわかんだろ?片付けだよ、片付け」 舞姫を肩車して高い所に本を戻している十代を見て呆れた声を出してみた。というより、舞姫、その年になって男に肩車をしてもらうんじゃありません。肩車が許されるのは小学生までだよ!! しかもスカートの中が見えそうで怖い。いや、見えたら儲けモンだ。てか、見たい。 「片付けって、年末に大掃除して色々片付けたばっかだろ」 「万丈目が何か調べ物するとかで生徒会室引っ掻きまわしたんだよ。つか、ヨハン。舞姫の足ジロジロ見てんじゃねぇ」 「ま、まさかぁ」 「あわよくば中を見ようって魂胆だろ」 「十代くん、大丈夫だよ。舞姫、体操着履いてるから」 「だ、そうだぜ。ヨハン。残念だったな」 くそ。何もかもお見通しかよ。つか、舞姫も舞姫だ。神秘の領域を見せてくれ!! そんなことを考えている間に舞姫は肩車からいつの間にか降りていて、今は十代の腕の上に座っている感じだ。そしてゆっくりと下におろされる。 もちろん下着は見えなかった。残念でならない。 「サンキューな、舞姫。脚立があればオレがやったんだけど」 「ううん。他の委員会に貸し出し中だもん。それに、舞姫、高いとこ好きだから楽しかったよ」 「帰りに駅前のクレープ奢ってやるよ」 「わぁ。ありがとう!」 何これ。何この甘い雰囲気。オレ耐えられねーんだけど。つか、十代、舞姫に甘すぎねぇ?てか知ってたけど。それよりも食い物で釣れんの?舞姫って。 「そうだ。ヨハン、お前オレに何か用があったんじゃねーの?」 「用?んなもん忘れたよ!!」 腹いせに生徒会室を万丈目と同じように引っ掻きまわしてやった。 「うぉぉおい!何すんだよヨハン!!」 「知らねー!!」 1月7日ついこの間片付けたはずなのに ヨハンは特に何かをしにきたわけじゃない。 学生のころは女子高なのにずーっとスカートの下に体操着履いて椅子に酷い座り方してたなぁ。 |