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セブルスとかけよれば、これでもかと眉間にシワを寄せる。

「なんのようだ。」

『べっつにー!セブルスがたまたま視界に入ってきたから』

「…僕は忙しいんだ。ほっといてくれ」

ベンチに腰を下ろすとセブルスはさも気にしていないかのようにまた本に目を戻した。横から本を除くとシベリアル癒着液がーとかかいてあって頭が混乱する。いったい何の本を読んでるんだ。そこにガヤガヤと生徒が現れる。あれは、ポッターたち。またセブルスに嫌がらせしに来たのか。セブルスの膝の上にあった本がふよふよと浮いてシリウスの手に収まる。

「おい、スニベルス。今日もスリザリンの女騎士にまもってもらってるんだな。」

「いやはや、名前も大変だね。」

『別に。大変だなんて思ったことは一度もないけど。それに私は女騎士でもなんでもなくてただのセブルスの友達よ。ほっておいてちょうだい。あなたちをみると虫唾が走って気分が悪くなるわ。それにその丸いメガネ。あなたの丸いお顔にとても良く似合ってよ。それにシリウスあなたなんだかとっても け も の 臭いわ。獣っていうより、い ぬ 臭いかしら』

そう言って自分の鼻をつまんで少し距離を置く。シリウスが顔を真っ赤にしてインカーセラスと唱えると同時にプロテゴと唱えたあとすぐに、インカーセラスと唱えるとシリウスは縄に巻き付かれバランスを崩した。ふふ、スコージファイと唱えればポッターの口からはシャボン玉のように泡がふよふよとでてくる。ピーターはひぃいと小さい声を漏らしながら両手で頭を抱えルーピンは関わりたくないと言わないばかりに距離をとっている。

『行くわよ、セブルス』

腕を引っ張ってセブルスは動こうとしない。『セブルス?』と声をかけるとシリウスのそばに落ちている本を気にかけているようだった。本に向かってアクシオと唱えようとしていたら、白く細い足が視界に入ってきて本を拾った。

「セブルス、大丈夫?またポッターたちがなにかあなたにしたのね。」

可憐な声で近づいてくるのは顔に少しだけそばかすがある可愛らしいリリーだった。リリーは縄を解いてシリウスたちに説教している。バツが悪そうに4人はこの場から離れていった。

「リリー、」

セブルスを後ろから見ているとそれはどことなく浮き足だっているかのようだった。セブルスは少し笑っているかのように見える。私の横では少しも笑わないくせに。そう、いつだってセブルスはリリーだった。リリーはセブルスだった。あの間には今更私は入れない。セブルスにはリリーの時間でいっぱいだった。それにリリーが来た瞬間セブルスは待ってましたみたいな顔だった。情けない。嫌になる。とことん自分が嫌になる。ねぇ、セブルス。少しでもいいから私を見てよ。名前を呼んでよ。リリーじゃなくて名前と呼んでよ。笑いかけてよ。お話をしてよ。手をつないでよ。ねぇ、セブルス。セブルス。

「名前、?大丈夫?あなた今顔が真っ青だったわよ。心配だわ。あなたが良ければ私医務室まで付き添うわ。ね、そうしましょう?」

『いいえ、結構よ。ほおっておいてちょうだい。それより今はセブルスに付き添ってあげて。私じゃダメみたいだから。』

「ええ、わかったわ。けど、ちゃんと医務室へは行ってね。きっとセブルスもそう思ってるわ。」


ねぇ、セブルス。とリリーが問うとあ、あぁと短く返事をしただけだった。それにあのセブルスの目は早くここらからどけと言わんばかりだった。そうだよね。結局私は邪魔者だものね。

『ありがとうリリー。セブルスはあなたがいてくれて本当に助かってると思うわ。だから、セブルスに何を言われようと何をされようと彼を信じてそばにいてあげてね。』

「なにをいってるの?当たり前じゃない!セブルスは大事な家族みたいな存在よ。私が彼をそんなことぐらいでこばむはずないわ!約束するわ」

それからしばらくしてリリーがセブルスにスニベルスと言ったことが耳に入ってきた。きっと今頃セブルスは泣いている。けど、もうセブルスに構うのはやめたの。結局の所私が入っていっても必ずセブルスの中で私がリリーを超えることはないんだもの。だってそう私は邪魔者だから。


20160223