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「わかれよう」彼氏だった人はそうつぶやくと颯爽に踵を返した。ぼーっとしているけど、頭の中には彼氏との思い出が走馬灯のように流れていて、泣きそうになってた。(たのし、かったなのに、な。)なんでこんなことになったんだろう。わからない。私に問題があったのか、彼に問題があったのは今ではわからない。(はぉ…帰ろうかな。)ゆっくりも腰を上げると帰路についた。家の前までつくと、隣の家は電気が赤々とついている。(仁、珍しく帰ってきてるのかな?)容赦なく扉をあけると、奥の部屋では仁がベットに寝転びながらタバコを吸いテレビをみていた。部屋に入るももわっとするたばこの匂いを手で追い払う。(でも、嫌いじゃないんだよね。)ベットの前につくと仁は私の方を振り向く。

「てめぇ、また勝手にきやがったのか。」

「ねぇ、仁」

「あぁ?」

「仁、仁…」

仁の横に思いっきりダイブするとベットが音を立てる。すぐさま仁の背中に顔を埋め、ぎゅっとこれでもかってぐらい抱きしめる。こういう時仁は必ずこういうの。

「俺はてめぇの泣き場所じゃねぇ。」

ほら、ね。でも仁の言葉とは裏腹に仁は優しく頭を撫でてくれる。何も聞いてこない。静かな部屋にはただ、わははは。とテレビの音が響いてるだけだった。気がついたらいつの間に寝ていて横を見ると私を抱きしめる感じで仁もすやすやと寝ていた。じっと顔を見ると、成長したなぁって思う。こんなにかっこよくなっちゃって。ちゅっと仁の唇に自分の唇を重ねた。フレンチキスのようだったけど、今の私は満足した。仁はゆっくりと私を更にきつく抱きしめる。寝ぼけてるのかな?けど、大人しく仁が起きるのを待っていよう。そしてこういうの。

おはよう。そしてありがとう

20151223