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利害の






「やだ、あの子みてよ。」

「ほんと、なんなの?あの子前髪は長くて顔は隠れててだらしない見なり。」

「ほら、あの子有名じゃない。スリザリンで可愛がられてる女の子」

「ああ、ふふ、やだ。ほんとにすごい可愛がられてるわね。」

私は中庭で生徒から可愛がられてる。私は小さい時から人と接することがすごく苦手でホグワーツから入学届が届いた時ははっきりいってうまくやっていける自身がなかった。組分け帽子は何故か私をスリザリンに入れ(ほんとはハッフルパフに入りたかった。)何故スリザリンなの?と問うと組分け帽子は「必ず君をかえるものがあらわれるだろう。それは君の人生に置いて最大の分岐点となるだろう。」といわれた。けど、やっぱりそんな事はなくて、もうホグワーツに入学して早3年になる。けど、友達は一向に出来なくてそして、一年前からおじおじと気づいてはいたんだけどいじめがどんどん軌道に乗って激しくなってきてる。その結果がこの状態。「ステューピファイ」「エネルベート」失神してはすぐに意識が戻りまた失神そして意識が戻る。『た、たすけ、て』「インカーセラス」しゅるるるといきなり体に縄が現れ動けなくなり倒れ込む。「エレクト」その言葉によっていきなり、私の体は立ち上がり真っ直ぐになる。「シレンシオ」いきなり唇と唇がくっついたかのように離れない。「スコージファイ」口の中にいきなり泡が流れ込む。苦しい。その泡は行き場をなくし私の気道に流れ込む。苦しい苦しい。『やめ、て、』気づいたらもう周りには誰もいなくあんなに明るかった空が真っ暗になっていた。『フィニート』と唱えると体から縄が消える。縄のあとをさすさすとさするとすこしだけ痛みが消える気がした。
『エピスキー』傷がついてる所に杖をやるとあっという間に傷がなおる。なんで、エピスキーは心の傷までは癒してくれないのだろう。はっと思い出すと時計を見る。時刻は6時30分。やばい!もうこんな時間!急いで走り、とある曲がり角に立つ。はあはあと息を整えて手櫛で髪を整える。曲がり角の奥から足音がする。今だ!

『リドルさん、こんばんわ』

「やぁ、Ms名前。こんばんわ」

とても綺麗な声で私に挨拶をするとニコリと微笑んで私とすれ違う。よかっ、た。今日も挨拶できた。リドルさんと出会ったのは入学して間もない頃。魔法薬学でペアを組めと言われたけど、そんな相手はいなかった。けど、このクラスは必ず二人組になると誰かが1人残ってしまうのだ。周りはキャッキャっ言いながら楽しそうにカエルの肝をすり潰す。私は長い前髪の隙間から見えるカエルの肝を刻む。魔法薬学はとくいだ。言葉はいらない。ただ黙々と作業をやっていればうまくいく。それにカエルの肝はすり潰すんじゃなくて刻むのに…。

「…君名前は?」

振り向くとそこには顔が綺麗に整っていて誰しもが一目みただけで惚れてしまう。そんな彼だった。『名前、です。』久しぶりに発した自分の声は果たしてこの人に届いただろうか。「僕はトム・リドル。以後お見知りおきを。それにしても君はよくカエルの肝をすり潰さなかったね。」『ま、魔法薬学…は、好きだから…』「僕も魔法薬学は好きさ。なら君と僕だけのようだね。」リドルさんは近づいてきて耳元で「うまく調合できそうなのは。」と呟くとニコリと笑って戻っていった。なん、て心地のいい声なんだろう。声フェチの私はもう彼の声に惹かれていた。こんなこと初めて。いろんな授業をリドルさんと一緒にした。(一緒にしたっていうより私がただリドルくんと同じ授業にしただけ)時々リドルさんは先生から問題を出され答える。その答える声がなんとも心地よくて私はまた惹かれてしまう。けど、彼の周りにはいろんなタイプの女子達がいてなんとも話しづらい(本当は話しかけれない。)けど、リドルさんを追っていてわかったことがある。彼は必ず図書館にいく。その図書館から帰るときはある曲がり角を絶対に曲がる。そして図書館に行く時と帰るときは絶対に1人だと言うこと。これを利用して私はまずは挨拶からだと思いこうして毎日毎日通りすがりの振りをして彼に近づくの。これが私の人生で唯一の楽しみだった



20150827