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少女は長年暗闇に囚われていました。けど少しも寂しくなんかありません。少女はきっとあの2人が助けに来てくれると思っていたからです。



「ルシウス、」

「はい、我が君」

「ハリーポッターが今年入学するみたいだな。」

「左様で御座います。」

「あの、日。からもうそんなに時間はたったのか。」

「はい。ハリーポッターが生まれてたからそのように存じております。」

「ルシウスの子供はなんといった。」

「は、我が君。ドラゴでございます。」

「ハリーポッターと同じ歳、か。ハリーポッターに目を光らせておけ。」

「承知いたしました。」

「あと、エイブリーを呼んで来い。」

「それでは」

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「エイブリー」

エイブリーは死喰い人なのに屋敷にはほぼいないことが多い。それでも我が君に咎められないのはなにかあると存じる。エイブリーはホグワーツの周りで何年も前からこそこそとなにかしているようだ。

「ルシウス…」

「我が君が呼んでおられる。すぐにくるようにと」

「ちっ…わかった。ここはもうすぐホグワーツのやつらがくる。すぐに消えろ。」

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「なんのようだよ、」

「エイブリー…なにかわかった?」

「いや、なにも。ただ最近ほらなんていった?あいつだよ。死喰い人の。暗めのヤツ。ホグワーツのやつ。」

「あぁ、セブルス・スネイプか。」

「そいつがやたらと森にではいりしてるようだぜ。ただ、防衛呪文で近づけねえんだ。」

「それは、どこらへんかい?」

杖を振るとホグワーツ一面の地図が浮かぶ。

「ここらへん。ただここはダンブルドアがで入りしてる。多分、名前はそこにいる。」

名前。僕の名前。目をつぶると名前が頭に浮き上がる。僕が卒業する前日にダンブルドアが名前を呼び出した。それから名前が僕の前に姿を表すことはなかった。僕は絶対にダンブルドアが絡んでいる。そう思う。その前にダンブルドアから呼び出されてたしね。それから、僕は使える奴らを集めてエイブリーには名前探しをしてもらっている。分かったのはまず、ホグワーツに名前がいるということ。そして、まだ生きてるということ。ダンブルドアの目的はわかっている。名前がホグワーツにいると僕が手を出せないからだ。それが狙いだ。ダンブルドアは名前をただの道具とでしか見てはいない。ただ、エイブリーからさっきの情報が入ったから名前がもうどこにいるのかは必然的だった。

「エイブリー、防衛呪文は破れそうか?」

「んー、どうだろうな。
お前ならいけるかも。」

「そうか。エイブリー。名前を助けてくる。」

「わかった。俺らの名前を助け出しに行こう!」

「ぼくら?」

「いつからリドルのものになったんだよ!」

「リドルと呼ぶな!」

「もういいから、行こうぜ。ただ、そのせぶなんちゃらってやつに話を聞いた方が早いと思うのは俺だけか?」

「あぁ、忘れてたよ。たまには君も役にはたつね。」

「…猫かぶってるやつにはいわれたくねーよ。」

「いまさら?」

「…せぶなんたら呼んでくるよ。この後死喰い人の会議とかいってただろ?多分、いるはずだよな?」

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我が君は、まだか。と口々にやつらはいっている。大人しく座って待っていればいいものの。馬鹿どもが。そこに、ばん!と荒々しく扉が開く。そこには、あまり見かけないやつがたっていた。

「あー、えーと。なんだ。せぶなんたらはいるか?」

「貴様はちゃんと名前ぐらい覚えたほうがいいかと存じますが。」

「ルシウス。ちょうどよかった。」

ルシウスの耳元でなにかをつぶやく男。ルシウスはその後なぜか吾輩を見つめる。そして私のところに来ると「我が君がお呼びだ。」と告げられた。
部屋をでると、男が話をしだす。

「お前、名前覚えにくいんだよ。」

「…すまない。」

「相変わらずお前はくらいな。スリザリンならもっと、こうばーん。としてればいいんだ。」

この男は頭が弱いのか?我が君は吾輩になんのようなんだろうか。我が君の書斎に近づく度に心臓が跳ね上がる。部屋の前につき、呼吸を整える。扉をノックしようと手を開けた時、隣の男はノックもせずに扉をあける。な、なんてこと。この男は知らないのか。前死喰い人がノックをせずに扉を開いたが最後。開けた瞬間に緑の光線が飛んできてその男はそれから息をしなかった。私はさっと扉からよけると、男は何食わぬ顔でなにしてんだ?早く入れよ。と促す。今日は飛んでこなかった。機嫌がいいのか?と扉に入ると、ひざまついて

「なにかお呼びでしょうか?我が君」

「貴様は最近やたらと禁断の森に行っているようだが、なにをしている。」

「…それは」

「はやくいえよな!」

「エイブリー、うるさいぞ。」

エイブリー…。今、我が君はエイブリーと口になさったか。エイブリー…。それは名前の日記に書いてあった名前。名前と我が君。名前とエイブリー。すべてが繋がった気がした。ただ、気がしただけだ。

「ほう、セブルス。お前は名前をしっているようだな。」

私としたことが油断した。これはもう喋るしかあるまい。

「先日ダンブルドアからホグワーツを開けるから1週間だけ、様子をみていてほしいと言われまして。そこには、ずっと寝ている少女が。」

「それは分かったがなぜエイブリーの名まで知っている。」

「机に日記がおいてありまして、それを拝見させて頂いただけのことです。」

「ということは日記もそこにあるんだな。」

「え、えぇ。まぁ。」

「どーする?」

「考えておこう。いいか、セブルス。貴様はホグワーツなら動きやすかろう。名前を監視しておけ。そして、ダンブルドアが不在なら、印で私を呼べ。話は以上だ。ゆけ。」

「失礼、しました。」

パタンと扉を閉じるとはぁ、とため息がでる。やはり我が君とエイブリーと名前は繋がっていたのだ。扉からは声が聞こえる。

「ほらな!やっぱりあいつは名前をしってたんだ。」

「うるさい。エイブリー。」

「もう、ダンブルドアとか殺せばいいじゃん。」

「だけど、それは。全くなぜ僕が名前のためにこんなに悩まなければならないのだ」

「ダンブルドア不在とか待ってられるか!俺はいく!」

「待て!エイブリー!」

ん?我が君ってこんな話し方だったか?いや、もういい。余計な詮索はしないでおこう。日本にはこんな諺がある。触らる神に祟りなし。



20150829