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赤い糸




案外運命の人はすぐ近くにいるのかもしれないよ。ほら、あの人だって指から伸びている赤い糸はすぐ後ろの女の子の指へと繋がっている。物心がついた時から私には他人の赤い糸が鮮明に見える。ある時母親の指からいつの間にか赤い糸がぷっつりと切れていた。今までは父親と繋がっていたのに。その数日後離婚した。ただどこを歩いていても常に赤い糸は私の視界に入ってきて、赤い糸は触れれないのに私はあえて赤い糸を避けたり、跨いだりしていた。そのせいで友人らからは変な行動を取る少しだけおかしな子と認識されてしまっていた。だけど別に虐められることもなく仲良くしてくれた。今まで私の視界に入ってきた人物全員に赤い糸は常にあるのだが何故だか自分の赤い糸は見えない。一時期は頭がおかしくなりそうなくらい悩んでいたが、多分私は誰とでも運命の相手がいないのだろうと思い恋愛することすら諦めている。ただ、未だに何故この赤い糸が私にだけ見えるのかは謎のままだ。

「また、見えない赤い糸を追っているの?」

『ううん、そんなことないよ。』

マリアはスリザリンの私を壁なんぞ気にせずに友達になってくれた子だ。すごく仲がいいってわけではないけれど、会えば軽く話す程度の仲だ。それでも私には嬉しくてマリアと会えた日は寝るまで舞い上がってしまう。

「ねぇ、そろそろ教えてよ!私のここにあるはずの糸は誰と繋がってるの!?」

『だからー前にも言ったけどマリアの糸はどんどん薄く消えているからホグワーツには在学してない人って言ってるんじゃない。』

「はぁ…はやく会いたいわ。何処かの運命の人と」

マリアはまたねとその場を去っていってしまった。私も遅れちゃうと授業へと向かう。