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みつめなおす


入学して1ヶ月が過ぎた。あっという間だった。けど、その1ヶ月の間に友達は一人もできなかった。完璧に出遅れた。もう周りはグループが出来上がってる。いや、だな。入学してから、せーくんはすぐにテニス部に入って合う暇が全くなかった。たしかにせーくんは小学校の時からずっとテニスに夢中で中学に入ったら絶対テニス部にはいるって言ってたから部活が楽しくて楽しくてしかたがないんだろうな。放課後になってもなんだか帰る気がしなくて、ぼーっと校庭を眺めていた。

さすが中学のテニスというところかな。なかなか飽きが来ない。なかなかに手応えのあるやつらと試合もできてる。そういえばもう1ヶ月近く名前と話していない気がする。ふと校舎を見上げると窓に頬杖をつきぼーっとしてる名前をみつけた。なにしてるんだろうと考えてると「幸村!あしがとまってるぞ!」と注意されランニングに戻った。

そろそろ帰ろうかな。振り向くとそこには赤髪の男の子がたっていた。こ、これはさようならとかいったほうがいいのかな…。わからない。

「おい、ここにあったタオルしらねぇ?」

『し、知らないです。』

「バックのなか、みせろぃ。」

『え!!』バックの中?盗んだとでも思ってるのかな。それは侵害だ。ど、どうぞ。とバックを差し出すと勢いよくチャックを開いて机にバラバラとバックを逆さまにする。(ぇええええええぇぇええええ!)

「…ちっ、ねぇな」

その後周りをガサゴソと探すと無言で教室を出ていった。なんなの、あの男の子は…。散らばったものを丁寧にバックにつめる。嫌な勘違いされたなぁ。それにしてもなんで盗んだって思ったんだろうそういうことこれまでにもあるのかな?

今回に入って何回目だろう。私物がなくなるのは。被害にあってるのは俺だけじゃなくて丸井に仁王にって勢ぞろい。そろそろ丸井とかはいらいらが爆発しそうであった。この前仁王が「俺のストラップ女子に取られていたぜよ。」としょんぼりしていた。それからあまり女子にいい感情は抱いてはいない。丸井がタオルを忘れて教室に取りに行ってからしばらくすると手ぶらで帰ってきた。それと丸井の顔をみて、わかった。あぁ、またやられたんだろうな。

「教室に女子一人いたから、またやられたと思って無理やりバックの中身みたら、なんにもなかった。あー!!いらいらするぜ…」

「女の子も散々だな。」

「だって、普通女1人で教室にいてタオルがなかったら、そう思うだろぃ」

「ちゃんと謝ってきたかい?」


「……」

「謝ってこい」

にこりとして言うと丸井は顔が青ざめて走って部室を後にした。




20151223