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はじまり




目を覚ますと天井は豪華なシャンデリアが下がってて横長いテーブルにはまだ湯気が出てる朝食があって、入れたてと思われるコーヒーもあって。この公園こんなに、豪華だった?と頭を傾げるほど私はまだ頭が覚醒してないんだなと思い。寝直そうとソファーに横になる。夢だ。夢に違いない。目をつぶるといきなり、ばあん!!!と物凄いおとを立てて扉が空いた。ビクッとしたけど、声は出ずに安心した。

「ヴォぉぉぉぉい!!この女まだ寝てるぞぉ!」

「もー、スクちゃんたら、またそんなに大きな声だして。あの子起きちゃうでしょ!」

「でも、あの女ー。もう起きてたぬき寝入り決め込んでるとミーは思いますー。」

「なんだとおおおおお!」

カツカツといい響きの足音が私に近づいてくる。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。肩をガッとつかまれてやばい!と思った


「くそ鮫。なにしてんの?」

肩から手が離れる。でも、この声どこかで…。

「王子の所有物に勝手にさわんないでくれる?殺すよ」

王子…。王子。

『あーーー!!!!!ティアラさんだ!!!!』

大声でティアラさんを指差す。あ、やってしまった。す、すみませんと謝りおやすみなさいとまた横になる。危ない危ない。私は寝ているだけ。寝てるだけ。


「寝るんじゃねえぇぇええ!」

ビリビリと鼓膜に響く声の人に洋服の襟をつかまれ、宙に浮く。まるでこれだと猫のようだ!周りをみたら、

『変なかえる。きも。』

「堕王子せんぱーい。こいつやっちゃいますー。もう歯止めきかないですー。」

「がきが。挑発されてんじゃねーよ。」

ティアラさん。

『私らあの後ずっとティアラさんを探していたんですよ!いきなり消えちゃうし…』

「とにかくごはんにしましょ。ほら、みんな座って頂戴」

美味しい。生まれて初めてこんなに美味しいご飯食べたかもしれない。スクランブルエッグはふわふわでとろとろだし、トーストはさくっとしてほどよい。コーヒーは苦くもなく甘くもない。レタスはシャキシャキしててトマトも甘い。

『ティアラさんは幸せものですね。毎日こんな美味しいご飯を食べれて。』

「このおかまが作ってんの。あんまり食べたいとは思わねーけど。仕方なく食べてやってんの。」

そうティアラさんが言うとおかまさんはくねくねとしながら照れていた。

『あの、いまさらなんですけど、私なんでこんなところにいるのでしょうか。』

「ししっ!今更すぎるっつーの。お前がベンチに捨てたあったからただ拾ってきただけだっての。」

捨ててあった。それは本気で言ってるのだろうか。本気で言っているののならば病院をおすすめします。

『私、帰らなきゃ』
そう言った後に気づいた。そういえば私ら帰る家なんてないんじゃん。家出してきたんじゃん。

「王子さ、いい事思いついてやったんだよね。」

『いいこと、ですか?』

「昨日、行ってた友達ってのになってやるよ。その代わり、1日づつお前の知り合いを殺す。」

『殺すのは構いませんけど私
こう見えても友達いないんですよね。それに知り合いっていったら、無関心な父と姉依存の母。なんでももってる姉しか知り合いにいないんです。3日でその目標終わっちゃいますね。』

「普通は、肉親が殺されようとしてるのにそんなのんびりしてるやつお前ぐらいだよ。ししっ、変なヤツ。」

『あぁ、いいんですよ。家族のことは殺したいぐらい憎いんです。それに、ティアラさん。ほんとに殺すならすごく、苦しむ様に殺してあげて。それも私の目の前で。そしたら私は安心できる。』

「へー、おもしろそうじゃん。最近暇だったから、その復讐劇乗ってやるよ。」

『復讐、劇?』

「やるなら派手にやんねーとつまんねーじゃん。」

『なんか、楽しそう、ですね!!』

「ししししっ!だろ?さすが王子」


「ヴォォォォオオォイ!話についていけねーぞ!」「かえるきもいとか言ったことまだ忘れてませんからね。」「晩御飯何にしましょーかしらね。」


20150831