07
どんどんと次から次へとグリフィンドールやらハッフルパフへと流れていく。
「トム・リドル」
先にいってると耳元で囁かれトムは組分け帽子をかぶる。キャー!などトムが上にあがるとお姉様たちから黄色い声援が響く。なにかをトムと組分け帽子は話していたけれど、その後に
「スリザリン!」
と組分け帽子は叫んだ。私は、私は果たしてトムと同じ寮になれるのだろうか。前の子がスリザリンと言われ席に座る。その子を目で追うとトムの隣に座る。明らかに体をくねくねとしながらトムに話しかけている。なんだかわからないけどイライラする。なんなの。トムだってあんなにその子に笑顔をふりまかなくても。けど、愛想笑いだしよしとしておこう。まだ名前は呼ばれないのか。横目でトムを見ると周りには女。女ばかり。…ちっ。舌打ちをするとまだ私は魔力をコントロール出来ないのかトムの隣の女の子のグラスがパリーンと割れる。きゃっ!トムぅ…と涙目でトムの服をつかむとトムは怪我はなかったかい?とグラスを片付け始める。
「名前…。名前!」
あっ、と前を見ると先生型方一同がこちらを見ている。うわあ嫌だな。こーゆー雰囲気は…組分け帽子をかぶると脳内に直接声が響く。
君はホグワーツに入って何を望む。
私は…望むとしたら…
ずっとトムと居たい
ほぅ、トム・リドルとの?
トムがいるから私がいるの。
トムがいなければ私はいない。
トム・リドルと一緒にいて
君はトム・リドルに
なにができる
なにができるかなんてわからない。
けど、一緒にいないことには
わからない。
ふむ、よかろう
「スリザリン!」
やった!と叫びながらスリザリンの席に座る。ダンブルドア校長が手を叩くと目の前にたくさんの見たこともない料理が並ぶ。生徒がそれぞれ手を出すと亡くなるはずなのに料理は不思議となくならない。不思議だ…。トムをちらりと見ると女に囲まれてお皿に料理をつまれていく。パチリと目が合うと私はふん。と逸らす。いきなり隣いい?と男の子が近寄ってくる。
「俺はアブラクサス。ちなみに一個上な。」
『名前、です。』
「ずっと1人だから寂しいかなって思ってさ。」
『いえ、結構です。』
「なんだよ。つれねーなー。」
『あの、さっきから気になっていたんですが』
「なんだ?」
『ここ、食べカスがついています。』
唇の横についてたソレを手を伸ばし取る。
『とれましたよ。実はおっちょこちょいキャラなんですか?』
「レディにこんなことしてもらうなんて…俺たち運命じゃね?付き合わない?」
スリザリンの女の子たちはざわざわとしている。トムとは比べ物にならないけれどアブラクサス先輩は確かに顔は整っているしこんなに甘いマスクなら女の子たちが放っておくわけがない。
『嫌です。』
そこには
私を睨む
紅い目があった。20150825