06
今はトムとホグワーツ特急に乗って2人きりのコンパートメント。とても静かだけど、コンパートメントの外ではカエルやら杖を振り回したりなど、ガヤガヤしていて、その光景は初めてみるとわあっと胸が輝く。
「名前、やっとずっと一緒にいれるね」
『トム…今まで寂しかった。けど、寂しいとか言うとトムは優しいから泣きそうな顔、するでしょ?』
サラリと長い髪を耳にかけなが窓の外を見る。綺麗な森ばかりでなんと目に優しいんだろう。
「僕は一生君の側にいて君を守ることを誓うよ」
スッと手を差し出すトム。
『ありがとう、トム』
トムの掌に手を重ねると二人とも恥ずかしそうに笑った。そろそろつくみたいだよ。着替えないととトムは言うとトランクから制服を取り出し着替え始めた。
「名前?着替えないの?」
『だっ!だってトムの前で、恥ずかしいよ』
「小さい頃からお風呂にだって一緒に入ってて一緒にねて、今更何が恥ずかしいの?」
『いーから!お互いに後ろ向いて着替えよ?ね?』
「やれやれ、わかったよ。」
会話もなく静かな衣類の掠れる音だけが響く。ドキドキしながら着替えてふと首元にヒヤリと冷たさが襲う。
「これ、名前にあげる。」
ネックレスをシャラと持ち上げてみると、シンプルな星の形を彩った素敵なデザイン。
「まじないをかけておいた、」
『ありがとう、トム。すごい気に入った。ずっと大切にするね』
振り返りトムに抱きつく。
「名前に抱きついて貰えるなんてとても光栄だけど」
ん?とトムの顔を見ればニコリと笑っている。
「下着はもうちょっとシンプルなものが僕は好きかな」
ぎゃいやああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
「ねえねえ!マリア!ちょっと今年の1年生すっごいイケメンな子がいたのよ!」
「え!そうなの?マリーシア。」
「ほんとにイケメンなのよ!けど、」
「けど?」
「左頬が赤くなってたんだよね。」
「なにそれ」
「手形、みたいな。」
これからは
ずっと一緒に
いれる。20150825