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私は恋をしました。





最近リー君がそっけない。話しかけても悪いといいどこかへいく。恒例の夜の散歩も全くこない。そして、最近は話してもいない。
こんな状態で食欲なんて湧くはずが無い。ミシェルがポタージュを持ってきて食べなさいと促す。私はそれを横に頭を振って断る。ミシェルはため息をつくと寮を出て行った。ごめんね、ミシェル。心配してくれてるのは分かってるけどそんな気分じゃないの。足音がする。寮に入ってきたのはリー君だった。


『リー、君』

「まだ寝てなかったのかい。それじゃ」

と明らかに私を避けるように部屋に戻っていく。

『まって!まってよ!』

リー君は一瞬ピタッととまるとまた足を動かして姿が見えなくなった。
あぁ、もう私の声も聞こえていないのね。

『ぁ….っ、ふぁ…』

静寂の中に響く私の声。戻ってきたミシェルが私をみて目を見開くと優しく背中を撫でてくれた。優しさが痛い…。

「さ、部屋に戻りましょ。」

部屋までに行くのは私がだらだらと歩いていたせいだけど、ミシェルは何も言わずにずっと背中を支えていてくれた。ベットに横になるとミシェルがブランケットをかけてくれて、おやすみと額にキスを落とした。つぎの日ミシェルに誘われて食事にいくと、「あの子、リドルと別れたみたいよ。」「あーあ、卒業まであと少しなのに。できればずいぶん前に別れて欲しかったわ。」「でも、リドルは今彼女がいないのよ。」「そうね、なら、奪いどきだわ。」「もうあの子のものじゃないんだから奪うだなんて、」「あら、そうだったわ。」こそこそ話す声にこれが現実なんだと身を呈して感じる。リー君と別れた。これは現実なんだ。クスクスとまだ笑って蔑ました目をみて私は密かにあなたたちのその下品なクルクルの髪も汚い金髪も鼻が折れるくらいのひどい匂いの香水も顔も性格もなにもかもリー君の理想のタイプなんかじゃない!!私はあんたたちの知らないリー君を知ってる!羨ましいか!こうして自分は特別なんだと思わないと自分じゃなくなる気がしたんだ。モヤっと胸に胃液がこみ上げてきた。やばい。戻しそう。その場から離れると、「ほらー、やっぱり別れたのは本当なのよ。現に本人は何も言わずに逃げてるじゃない。」泣きそうになるのを堪えて外に出た。のんびり歩いていると少しは吐き気も収まっていた。ぼーっとして歩いていると中庭にはリー君が本を真剣に読んでいた。ああ、リー君だ。私のリー君だ。いいえ、今は私のじゃないけれど、日の光に当たったリー君はまるで天使のようだった。



あぁ、神様

願わくば

リー君と

笑いあってた

幸せな日々を

お返しください





20150821