05
意外にすんなりと採寸も終わり入学式前日に家に届くと言うからなんと便利なんだ。
「名前って…胸小さ」
『うううるさあいよ!!!!まだ成長期だもん!これから大きくなるもん!』
ぷくーと膨れる名前は素直に可愛いと思う。けど、どうやって名前の機嫌を治すかはわかってる。
「フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリームパーラー」
キランと名前の目が輝く。早く早くと名前が僕の服の裾を引っ張る。
「そんなに急がなくてもアイスは逃げないと思うけど。」
とむ!はやく!と急ぐ名前にはぐれさせないように早歩きでついていく。するとピタッと名前はとまり振り向いた。
『フローリアンってどこ?』
「つくづく君は馬鹿だね。」
フローリアンにたどり着くと名前は納豆小豆という謎のフレーバーのアイスを頼みおいそうに食べている。そういえば久々に名前の笑顔を見た気がする。
「さて、食べ終わったことだしそろそろオリバンダーに行かないと。」
『すんなりと決まるといいね』
古臭い扉を開くと奥から主人が出てきた。
「おやおや、これはこれはMrリドル。それにそちらは…ああ、名前じゃないか。いやはや久しい顔ぶれですな。そうか、もうあの日からこんなに時間がたったのですな」
「その話は今はいい。それよりはやく杖を」
「Mrリドル。お主の杖はもう決まっておる。イチイと不死鳥の尾羽根、34センチ。」
手に持つと何故か杖と繋がった気がしてしっくりとくる。問題は名前だ。さてどのくらいかかるのだろう。
「名前、早く決めておいで」
『うん!トムの杖はかっこいいね!』
オリバンダーは次々と名前に杖を手渡すが窓硝子が割れたり、椅子が木っ端微塵になったりといろいろすごい。はぁとため息をつくといきなりトム!危ない!という声が聞こえてきて顔を上げると何かの魔法が僕に向かって飛んできていた。
「プロテゴ。」
『トム!大丈夫!?』
「大丈夫だよ。いつものことじゃないか。」
『いつもじゃないよ!』
全くと言いながらまた杖を振る。また何かが壊れた音がした。ため息をつき壊れたものを直していく。
『ちょっと、トムの杖かして!』
そう言うと僕の杖を奪い手に収める。横にあった花瓶が割れはしなかったがピキとひびがはいる。
もしやと言い残しオリバンダーは後ろに引っ込んで古い箱を取り出すもぼくと同じ形の杖を出す。
「これは、Mrリドルと全く同じ材料で出来ているが、長さは23センチとなる。振ってみなされ。」
杖を振るとお店のあちらこちらに花が咲く。
うわぁー!と楽しそうに杖を振るたびにポンポンポンと花がでてくる。殴ってやめろという。
「これは、兄弟杖ではないが、双子杖となる。こんなことあるとは思わなんだ。その杖を大事にしなさい。」
金額を払って店を後にする。杖をぶんぶん振りまわす名前に杖を直すように言うと『だって、トムと同じなんだもの!』と笑う。「僕だって、嬉しいよ」なら、早くメローピーママの所にいこう!と走り出す
ずっと
この後ろ姿を
見ていたい20150825