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04




「名前は馬鹿じゃないの?名前が確認した漏れ鍋の扉はスタッフ専用で一般人の扉は正面の方だ。全くなにかあってからじゃ遅いのに、君と来たら」

『リドル小言が多くなったんいひゃひゃひゃひゃ!』

「ほう?僕が折角心配してあげてるのにこの口はそんな事言うんだ」

ニコリと笑うトムは笑っているけど冷ややかな笑顔だった。

口喧嘩はしてるものの私たちはずっと手を繋ぎっぱなしだった。あらあら、相変わらず仲がいいのね。とトムのお父さんとお母さんがこちらに歩いてくる。

『パパ、ママ…』

何故だかトムの両親を見た瞬間顔がほころんで涙が頬を伝う。トムが全く世話が焼けると言いながら服の袖で拭いてくれた。久々に家族4人揃っちゃったわね。あぁ、そうだね。と会話をしてるパパとママの後ろ姿を見る。本当にいい人たちだ。トムは幸せ者だ。

「トム、私たちは教科書やら必需品を買ってくるからあなたたちは杖と制服を作って来て頂戴。名前ちゃんのことよろしく頼むわね。これ、金庫の鍵だから。それじゃまた後で会いましょ。」

『トム…』

「大丈夫だよ、名前」

行くよ。と手を引かれてグリンゴッツ銀行を目指す。途中トムは可愛らしいお店で歩みを止めた。どうしたの?と顔を覗くと少し、入ってみない?と言われ、いいけどと返事をする間もなくトムは店に入っていった。中にはとても私好みのカバンや財布小物がズラーっと並んでいた。あー、この財布可愛いな。でもこのバックもいいな!なんて思っているとふと自分の持っているカバンに目が行く。糸がほつれ所々に小さな穴があき、持ち手も片方壊れていて持ちにくい。なんだかこんなところに、こんなカバンで来るなんて恥ずかしい。トムに先に外で待ってるねと伝えて店を後にする。周りには箒を持って走る子供たちや怪しい物をうるみせ、ペットショップなどマグルの世界では見たこともないようなお店が並んでいた。ああ、戻ってこれたんだ。よかった。トムがお待たせと出てきた。何買ったの?と聞くとくすっと笑ってこれと袋から取り出す。君のカバンはお世辞にも素敵とは言い難いからね。とカバンを差し出す。しかもさっき欲しいなあと見ていたやつだった。トム、ありがとう。と涙を流す。ほら、そのカバン貸してと言うと「エバネスコ」と唱えるとカバンは灰とかした。ほら、やっぱり似合うね。私の肩にカバンをかけながらそろそろ行こうかと歩き出した。グリンゴッツは案外近くて、中に入ると小さい怖いおじさんたちが働いていてトムの背中の方の服に頭を隠しながら歩いた。トムに服が伸びるでしょ。と言われるけどやめろなんて言われてないので無視。やっとの思いで金庫につくと扉を開けられ二人とも目が点になった。すごい量の硬貨。

『トム、この硬貨多分カバンに入れると重いよね…』

「大丈夫だよ。それには拡張呪文と軽量呪文をかけておいたからなんてことはないさ」

そんな便利な魔法があるのか!すっげー、魔法会すげー。適当に硬貨をバックに入れていく。本当だ。重くならない。これは面白い。うひひひとどんどん入れて行ってたらトムに殴られた。痛いと頭をさすりながらグリンゴッツを後にする。

「さて、次は制服にいくか杖に行くかだね。名前はどっちがいい?」

『私は洋服かいたい!』

「…確かに名前の服はなぜそんなに…いや、なんでもない。なら先にマダム・マルキンの洋装店に行こうか。」

トムにあれやこれやといろいろ試着させられこれとこれとこれとと無理に決められて会計時には金額がすごいことになっていてトムは私のバックに手を入れると硬貨を取り出し支払いを済ませる。さすがにこれだけの量の洋服はバック入り切らないなあと考えているとトムは縮小呪文を唱え掌サイズになった洋服をバックに放り投げた。ピカピカの新しい服に新しいパンプス。そして新しいカバン。ああ、幸せだな。と幸せを噛み締めていると次は採寸だ。とトムは店の奥に歩き出した。




すべては
あなたがくれた
宝もの。


20150825