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03




えーと、どうやってロンドンまで行こう。なにかあったらとキッチンに置いてあった貯金箱を持ってきた。バス?って言うのに乗るにはお金が必要ってトムが昔言ってたきがする。パコっと貯金箱を開けるとそれはコインを貯めるやつじゃなくてお札を貯める貯金箱だった。この紙切れでなんとなるんだよね…。けど、こんな夜中にバスなんてあるのかしら?暫く歩いているとぼんやりとライトに照らされて(BUS )と書いてある看板を見つける。そこにはロンドン行と書いてある。バスってこんな時間まであるんだ。と考えてベンチに座ってバスを待つ。よかった。トムにマグルのこと詳しく聞いといて。5分も立たないうちにプシューとバスがとまる。

『ロンドンの漏れ鍋っていうところに行きたいのですが?』

「それなら、この便の最終駅となるから着いたら教えるよ。」

ありがとうと言いながら席に座ると楽しみだなと思い瞼を閉じる。夢の中でトムが私に手を振って笑顔で叫んでる。ハッ!とすると目の前に運転手がいて、ついたよ。と言っていた。お金の単位が分からず5、6毎差し出すとにやりと運転手は笑ってまた乗ってねと去って行った。空はふわりと明るくなっていた。漏れ鍋ってここでいいんだよね?と思い扉を開く。ガチャガチャと音はするものの扉は開かない。そうだよね。朝方だし、こんな時間に空いてるわけないもんね。店の端に腰を下ろして街をみる。車がせわしなく走っている。都会はすごいな。そんな事を思いながら眠たい目を擦る。ふぁあと、欠伸をし目を閉じる。うとうとしてきてるのがわかる。あぁ、寝ちゃいそう。


体が揺さぶられていてる。んぁ?と半目を開けるとそこにはとても綺麗な顔があった。

「名前」

『と、む…』

夢じゃないんだよね、本物のトムなんだよね。

「全く名前はなんでこんなところにいるの?てか、寝てるの。
返答次第では許さない。」


トム毒舌がまた上達したようで、なによりだ。思いながら経緯を話す。

『でも、もうあんなところに、戻らなくていいんでしょ?』

「もちろんだよ」

さ、漏れ鍋の中で両親が待ってる。行こう、名前。

手を差し出すトムはまた一段と目を背けたくなるほど綺麗な顔に、成長していた。





もう
この手を
離さない。



0150824