澄みわたる獣


 焦ったのかもしれない、白い足が泥土を踏むのを見て。
 焦ったのかもしれない、鞘から鋭い剣を抜くのを見て。
 焦ったのかもしれない、失くしたものを想う横顔を見て。
 焦ったのだろう、肌が傷付き、そこから赤い血が流れるのを見て。


*



 イルミナスがウルグと老婆の前に立ち塞がっていた巨大な魔獣を、その風の刃で文字通り真っ二つにする。
 進むために、そして守るためにはこうして奪わねばならない命が確かに在るのだと、イルミナスは今は風の纏っていない折れた剣を鞘に収める。真っ二つになった身体から溢れる紅水晶と砂になっていく彼の命を見つめ、それが黄昏へ還って往くのを見届けた。
 すべて見届けると彼女は少しの間目を瞑る。
 それはまるで、己が屠った命の重みを確かめるかのようだった。
 イルミナスとウルグは未だ気が動転しているのか、気が違えたように魔獣がいる、魔獣がいる≠ニ呟き続ける老婆を宥めつつも何とか〈スクイラル〉へ送り届けると、二人はそこから出ている気球の定期便に乗り、ウルグの拠点でもある絶滅都市〈ゼーブル〉近くの町で降りては、今まで得た情報を整理するために〈ゼーブル〉に在るウルグの家──果たしてあれを家と呼んでいいものかは分からないが──へ向かった。
 道中、イルミナスはウルグの顔を見て、やっと取り戻した彼女本来の澄んだ朝告げの声で問いかけた。
「……今日は、いろいろあって疲れたでしょう。一日〈スクイラル〉で休んでからの出発でもよかったのでは?」
 こちらを見上げるイルミナスとは視線を交わさずに、ウルグは前を見つめたまま普段通りの静かな声で答えた。しかしいつもより、今日の彼は歩を進めるのが速いような気がする。
「黄昏を止めたいのだろう?……時間が惜しいのは、君の方ではないのか」
「ええ。ですが──」
「ともかくすべて、情報を整理してからだ。急ぐぞ」


*



 最寄りの町から半日ほどかけて〈ゼーブル〉に辿り着いた二人は、銀薄荷の毒消しタブレットを口に含むと、そこらをうろつく魔獣たちを巧みにかわしつつ、ウルグの拠点へと急いだ。
 相変わらずこの都は、廃れた白と煤けた黒ばかりである。
 やはり人の住めるような環境ではない、とイルミナスはどこか落ち着かない気持ちで、魔獣除けの仕掛けがしてある家の扉にウルグが手を伸ばすのを眺めながら辺りを見回していると、それに気が付いた彼に早く入れと促され、慌てて家の中へと滑り込んだ。
 ウルグの家兼拠点であるこの研究施設はしばらく戻っていなかったせいだろう、前来たときよりも随分と埃っぽく感じられた。
 ウルグは歩くたびに舞い上がる埃に微かに顔をしかめつつ、自室と呼べるほどには改造した、扉から入ってすぐの大きな一部屋に入っていく。
 その中に在る夜深色のソファに長い溜め息を吐きながら身体を沈み込ませると、イルミナスが部屋に入ってきたのと同時に彼女に問いかけた。
「……ルーミ、君は前に……俺がもし魔獣となったときは、自分が俺を手に掛けると言っていたな」
「え?……あ……はい、確かに言いました」
 ウルグの突拍子もない質問に、部屋に入った瞬間相変わらずの物の散らかりぶりに眉をひそめていたイルミナスが顔を上げ、戸惑い気味にそれでも答えた。
 ウルグは眉間の皺を更に深くすると、高い天井を見上げてどこか諦めた様子で息を吐く。
「……クェルに、会ったな」
「あ、ええと……よく、ご存じで」
「ああ、やはりか……これは俺の勝手な考えだが、どうにもあの言葉はあまり君らしくないと思って、な。……少し、引っかかっていた。どうせろくでもないことを吹き込まれたのだろう、あのじじいの言いそうなことなどたかが知れている」
 イルミナスは口に出すのも嫌だというようなウルグを横目で見ながら、何か椅子代わりになるものはないかと物の散乱している部屋の中を見回した。
 するとウルグが視線を向けずに指差した方向、そこに人一人分ほどの大きさの、つまりやたらと大きい図鑑らしき本が置かれているのが見える。
 ウルグが身体を沈めているソファの手前に置かれているその図鑑は、表紙を開くのにも相当な労力が必要であると予想されたため、イルミナスはとりあえずこれを、今は書物としてではなく椅子として活用させてもらうだけにすることに決めた。
 そして図鑑の上に姿勢良く座ると、イルミナスはウルグの言葉の続きを待った。
「大方、よく知る一ではなく、知らぬ千を選べ。それが王家に生まれた者の務めだ=c…とでも言ったのだろう、あれは」
「よ、よくお分かりですね。流石師弟の関係と言うべきでしょうか、それとも親子と──」
「どう思おうがそれは君の勝手だが、俺はクェルのことを師とも親とも呼ばん」
「……ウルグ。わたしは、クエルクスさまの言ったこと、決して間違ってはいないと思うのです」
 イルミナスはウルグから少しばかり視線を外してそう呟くと、膝の上の手のひらに力を入れて握った。
 それから何かを言いたげに口を開いたり閉じたりしていたが、しばらく待っていればようやく決心したようにウルグの目に自分の目を合わせて、彼女は彼に問いかける。
「こんなこと聞いても意味はないと、分かっているのですが……ウルグだったら、もし……もしほんとうに、一と千のどちらかしか選べないというときには……どちらを選びますか?」
「分かりきっていることを訊くな」
 ウルグはまるで悪びれる様子もなく、まるでそれが当然だというようにこともなげに答えを返した。
「つまり、君か顔も知らない千人どちらを取るか、という話だろう。笑わせるな、君に決まっている」
「……何故?」
「何故?……むしろ何故俺が、顔も知らん千人の面倒を見なければならない? それなら、君の方がまだましだ。
 ……俺の答えに不満があるのなら、俺以外のやつにも聞いてみればいい。そのほとんどが知らん千人より知る一人を取るだろう。何せ、俺たちには君のような王族としての責任なんてものはないからな」
「責任……そう、責任。わたしたち王族が誤った判断をすれば、苦しむのはいつだって民……」
 確かめるように、そして自分に言い聞かせるように声を低くして呟くイルミナスに、ウルグは少しばかり意地の悪そうな笑みを浮かべて言葉を放り投げた。
 彼のその顔を見たイルミナスは、そういえばクエルクスの笑みの中にも時折こういう表情が交じっていたことを思い出し、ほんの少しばかり目元を緩める。
「と、言っても幾ら王族とて神ではない。誤ることはあるだろう。……それに、言ってしまえばルーミ、君もこの國の民の一人だ」
 声の温度はいつも通りに温度が低かったが、その青い瞳に冷たい光は宿っていなかった。
 それを見て取ったイルミナスは何だか変な顔をしながら、困ったような呆れたような目でウルグのことを見る。
「ウルグは……わたしのことを元気付けたいのですか、それとも悩ませたいのですか?」
「さあな、想像に任せる。自惚れるのは得意だろう」
「……わたしは、一も選び、千も選び、その二つを守ると決めました。それは進むために、守るために。それはおそらく、この國に生きる者の一人としての選択です。自分の心のために……
 けれど、それでもわたしはやはり王の娘。考え続けなければならない、考え続けるのです、誤らないように……王族が誤ったときに苦しむのは、民。あなたも含む、そしてわたしも含む。
 だから、考える。それこそ、このちっぽけな今のわたしが王族として負うことのできる、ただ一つの責任だと思うから」
「まぁ、それを言いたかったのだろう、クェルは」
 イルミナスはウルグの言葉に小首を傾げると、ウルグは疲れたように軽く首を振って言葉を続けた。
「……何を信じ、何を選び、何を守り、何のために進むか、自分なりに考えてそれを見極めること。王族として民として、そして人として、君はそれができる人物だとおそらくクェルは思っている。……あれは意地が悪い、俺以上に」
「……」
「だが、クエルクス=アルキュミア・グリッツェンは言ってしまえばもう年だからな。あのじじい、どうも変なところで頭が固い。王族として一ではなく千を取れ≠ニ言ったのは本心だろう、王に仕える錬金術師としての。宮廷錬金術師、自称王の想像力≠ェ聞いて呆れる。錬金術師に最も必要なのは閃きと発想力だと俺に言ったのは、他ならぬクェルだというのに」
 ウルグはしかめっ面で息を吐くと上着の物入れに手を突っ込み、もっぱら煙草の代わりとなってしまった銀薄荷のタブレットが入っている青碧色の缶を取り出した。
 しかし、それを振ってみても何の音もしないことから中身が尽きたことがイルミナスにもウルグにも分かり、彼は面倒そうにソファから立ち上がると部屋の中心に設置されている錬金術の器材の方へと歩いていく。
 それを見たイルミナスは自らも立ち上がり、ウルグを追いかけた。
「クエルクスさまはどのような錬金術師なのでしょう」
 引き出しから乾燥させた銀薄荷を取り出していたウルグは、イルミナスのその質問に振り返らず答える。
「錬金術に関しては、まあ、いわゆる天才だな」
「……ウルグは?」
「俺か。そうだな、近い内にクェルを超える予定だが。宮廷錬金術師の座を掻っ攫って、あれが悔しがるところを見るのが楽しみだ。……そういうわけだから、君はとにかく……見ていればいい」
「あら……わたしに、見ているだけ≠望むのですか? それは少し──難しいですね」
 そう言ってイルミナスは、ウルグが手に取ろうとしていた白磁の乳鉢を横からひったくると、床に胡坐をかいて銀薄荷をすり潰しはじめた。
 それを見たウルグは頭を抱えて唸りたい気分になったものだが、この姫さまに今更何を言ったところで通じないだろう。
 それより今は、手袋をしていない彼女の右手の手のひらに引き裂くような傷が在ることの方が気になった。
 その傷の理由を、未だ彼女は語らない。
 だが、ミェーフという少女をその腕に抱いていた彼女の近くに折れた剣、その片割れが血まみれで転がっていたことが、おそらくすべての答えなのだろう。
 鳴り響く思いが表に出てこないよう、固く口を結んで眉間の皺を深くしながら、ウルグはろ過機で抽出した純粋なる水を、水がめのような形をした釜に数滴垂らした。
 釜の底に描かれている星と種子のような紋様に水滴が触れると、釜が一瞬光り、次の瞬間にはもう、釜にはなみなみと透き色の液体が張られていた。
 これを初めて見たとき、イルミナスは感動しながらこれは飲めるものなのかとウルグに問うたことがあったが、そのときウルグは銀色の柄杓で釜の液体を掬い彼女の前に突き出して、
「飲んでみるか?」
「え? いいのですか?」
「構わん。ちなみにこのままのこれはけっこうな毒だ、飲んだら三日は動けんぞ」
 と、意地の悪い顔で言ったものだった。
 ウルグは釜の周りの床に彫られている大きな円と、その中に複雑に組み込まれている紋様の前にしゃがみ込むと、そこへ向かって強かに火打ち石を打ち付けた。
 それにより発した微かな火花が、床に彫られた紋様の内側をさながら溶岩が流れるように赤い熱と化して円全体を伝わり、液体の張られた釜を集中的に熱する。
 ウルグはイルミナスがすり潰した銀薄荷の入った乳鉢を受け取ると、彼は釜の中に銀薄荷の粉を放り込み、さらにそこに解毒作用のある赤い木の実と微量の毒があると言われる青い鉱石、毒に強い耐性がある魔獣の、その息の根が止まる前に剥ぎ取った皮を入れ、釜の底の紋様が熱と素材に反応し、張られた液体を変質させるのを待った。
 待ちながら、イルミナスがぽつりと呟く。
「魔獣化はおそらく、心の力の暴走によって起こる……と、クエルクスさまが仰っていました。わたしたちは心で、この世界のものから力を借りているのだと。……そうなのですね」
「らしいな。知らなかったか」
「はい、お恥ずかしながら……」
「まあ、あくまで推論の域を出ないからな。
 それに借りものの力≠ヘ俺たちのように旅をするために魔獣と戦う必要がある人間には役に立つ力だが、普通に暮らしている村人や農民にとってはあまり縁のない力だろう。こいつは、衰退していく力なのかもしれんな。
 ……前時代では、よく使われていた力だと聞くが。ともすると、この借りものの力は戦うための力なのかもしれん」
 推論の域を出ないとは言ったものの、己の意志を揺るがぬものにしたイルミナスが剣に纏わせたあの風をウルグは見たばかりだ。これを心の力と呼ぶことは、あながち間違いではないのかもしれない。
 人の奥底には、何か得体の知れないものが宿っている。
 それは、おそらく獣でもあり、この借りものの力でもある。
 心が動けば、その心に応えたものが意志を対価に力を貸す。
 たとえばそれが嘆きの心だったとする。
 嘆きを対価に力を借りる。
 それは、すなわち嘆きの力である。
 嘆く内に、己の中に眠る黒き獣も目を覚まし、咆哮するだろう。
 そしてその圧倒的な力に身体を委ねれば、姿は心に棲む魔獣そのものとなり、心を委ねれば、おそらくもう人に戻ることはできないのだ。
 自分も危うく人ではなくなりかけたと思うと、やはりぞっとするものがあった。
「前時代──戦火と文明の時代……」
「それは知っているのだな。ああ、そうか……王族は大抵知っているのだったか」
「はい。知の独占は罪深いものですが、こればかりは民の混乱を防ぐために今や公にはされていない史実なのだと、父上が。ですからご存じの通り、一般的に前時代は文明の時代だとされています。
 しかし、遺跡などを見て回れば戦の傷痕のようなものはそこここに見られますから、ウルグのように察する人も少なくないかもしれません……あなたのように、探求心の強い人なら。
 でも、信じられませんね、人と人同士が争うことなど……」
「だから人は傲慢なのだと言っているんだ。大地をすべて、自分のものだと思う──」
 透き色の液体の色が白に変色しはじめたのに気が付いたウルグは、銀の柄杓でそれを掬い上げ、中くらいのろ過機に液体を通して不純物を除くと、鉛色の水筒のような容器にそれを入れ、蓋を閉めてイルミナスに投げて寄越した。
 受け取ったイルミナスが心得たように頷き、それを上下に振りはじめる。
 振りながらイルミナスはこの水筒の底にも何やら紋様が描いてあるらしいことに気が付き、なるほどこれでも素材が変質するのかと一人で納得した。
 そんなイルミナスを眺めながら、ウルグはつくづく自分が冷たい人間なのだということを悟り、自嘲するかのように微かに笑う。
(……こんな時代じゃなかったら)
 イルミナスが逝った少女を抱えて力なく地面に座っているのを見たとき、いちばん初めに思ったのは、彼女でなくてよかった≠セった。
 逝ったのが、イルミナスでなくてよかったと。
 我ながら、自分はなんて人間なのだと思う。
 少女の墓を掘るのを手伝ったのは、そんな自分の罪滅ぼしだったのかもしれない。
 薄汚れた手だ、と思う。
 父を殺めたこの手、何匹も何匹も何人も何人も魔獣を殺めたこの手、その罰か、自らも魔獣になりかけたこの手、魔獣ではあるが、それでも人を人と思わず殺せとたいせつな人に指図できる、この手。
 手を、差し伸べたことはない。
 彼女から差し伸べられたことはあっても、差し伸べたことは。
 手を差し伸べれば、この手を彼女は取るのだろうか。この薄汚れた手を。
 ああ、取るのだろう。この薄汚れた手を。
 だからこそ、手を差し伸べたことはなかった。
(誰にもこの肌を傷付けさせない──髪の毛ほども)
 先と様子が変わったウルグの瞳に、憂いのような悲しみのような、或いは怒りのようなものが揺れるのを目敏く拾い上げたイルミナスは、鉛色の水筒を床に置いてふと、問いかけた。
「心の暴走は、主に嘆きによって……。ウルグ、わたしはウルグを……追いつめていましたか?──追いつめて、いますか」
「……俺はそこまで弱い人間ではないつもりだがな」
「人は誰しもそこまで弱くもなく、強くもありません──独りでは。しかし自分ではない誰かと触れることでどこまでも弱くなれ、そしてまた、きっと、強くもなれる……
 あなたを追いつめていたもの、追いつめているかもしれないものは、わたしには言えないもの?」
「確かに、進んで言いたくはないな」
「では、わたしのことですね」
 その言葉に、イルミナスが床に置いた水筒を手に取っていたウルグは危うくそれを取りこぼしそうになる。イルミナスはそんなウルグの顔を見て少しだけ笑ってから、しかし眉根を寄せて立ち上がった。
「今日は休みましょう」
「──は?……今日は情報を整理すると言っただろう」
「確かにわたしたちにはあまり時間は残されていないのかもしれません。けれど、焦っては物事を見誤ります……ずっとたいせつなところを見誤っていた、このわたしが言うのだから間違いはありません。──今日は休みますよ、ウルグ」
「誰が焦ってなど……」
「気付いていませんか? 目の下の隈、遠目で見ても分かります」
「それは君とて──」
「ならば尚更!」
 今回は絶対に引かぬという態度で、香茶を淹れます、と言ったイルミナスの背中をほとんど呆気にとられたように眺めてから、ウルグは天井を仰いで毒気が抜かれたように長く息を吐いた。
(……君は、一も選び、千も選び、そのどちらも守ると言う。ならば──)
 焦ったのかもしれない、白い足が泥土を踏むのを見て。
 焦ったのかもしれない、鞘から鋭い剣を抜くのを見て。
 焦ったのかもしれない、失くしたものを想う横顔を見て。
 焦ったのだろう、肌が傷付き、そこから赤い血が流れるのを見て。
 イルミナスが振り返り、言い忘れたというようにウルグに声をかけた。
「わたしが、ウルグが魔獣となったときには自分が手を掛ける≠ニ言ったあの言葉……訂正しても?」
「……好きにすればいい」
「──わたしはあなたを魔獣になどさせません、絶対に」
「……特に、異存はないな。前より随分ましになった」
 そうだ、彼女の剣がもう二度と折れることがなくなったからといって、彼女が傷付かないという保証が何処に在るというのだろう。
 ウルグは再び香茶を淹れはじめたイルミナスの背を少しばかり見つめてから右手の手のひらを固く握り、それからその青い瞳を閉じて、口の中だけで呟いた。
(一も選び、千も選び、そのどちらも守るという君のことを守るのは──)
 閉じた瞼の奥で、青い夜に白く照らされた月が浮かび上がった。
 迷わないための月明かりは、いつも己の内に、そして外に。
 ──それがすべて。
 いつだって、おれにはそれだけが、それこそがすべてなのだった。



20160922

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