そっぽ向いた顔



「いよっし!これが最後の研究室!気合入れて、ちゃちゃっとさっさと終わらせてやるー!!」

「元気だな」

「おう、いいじゃねえか。そういう気合は嫌いじゃねえぜ」





残る最後の研究室である第四研究室。
ティファたちに扉を開けてもらい、あたし、クラウド、バレットはその前まで戻ってきた。

レッドが抜けて3人になっちゃったけど、これで終わりと思えばやってやるって気合も入る。





「よし、じゃあ頑張ろう!」





こうしてあたしたちは3人で第四研究室の中に入った。





「ウェッジの奴、すっかり待たせちまったぜ」

「ああ」

「こんな足止め喰らうなんて思わなかったもんねー…」





歩きながら話す。
第四研究室は、細い通路が続く形をしていた。

モンスターの気配もない。
でもいないってことはないだろうから、奥で待ち構えてる感じなのかな。

なんにせよ、折角ウェッジが繋いでくれた脱出の糸口を無駄にしないようにしなければ。

そんな流れから、少しウェッジの話になった。





「お前、懐かれてたな」

「あっ、わかる!」





バレットはウェッジがクラウドに懐いていたと言った。
あたしもそれには同意して頷いた。

でも本当、それはわりと最初の方から思ってたんだよね。

あたしがふたりのやり取りを初めて見たのは自警団の詰所のところなんだけど。
その時から「クラウドさん!クラウドさん!」って、なんか懐いてるなあって感じてたから。

…なんか、お前が言うなとかどっかから言われそうだけどね。





「かもな」





クラウドも否定はしなかった。
まあ多分自分でも感じてただろう。

アニキとか言われたとも言ってたし、そりゃそうだよね。





「あいつ、結構人見知りだぜ」





バレットはそう言った。

ウェッジは人見知り。
まあ、確かにそういう節はあるかもだ。

あんまり初めての人に、ガンガンはいかないカンジ。
そういうのはビッグスとかジェシーの方が向いてるイメージだよね。





「ああ。同類だ」





するとクラウドは小さく笑ってそう答えた。

人見知り。
確かに、クラウドはきっとそうだよね。

でもそれに対するバレットの返しは、ちょっと意外なもの。





「いざって時は頼りになる。ああ、同類だ」

「バレット…」





あたしは目を丸くした。

へえ…バレットって、そんな風に思ってたんだなあって思って。
しかもそれを本人の前で口にするって、ちょっと意外だったから。

なにかと衝突も多いクラウドとバレット。

でも、信頼、少しずつ、着実に築いてる。
そういうの、今すごく感じられた気がした。





「うん、頼りにしてる」





だからあたしも、同意を込めてそう頷いた。

さっきも同じようなこと言ったけど。
でも何度伝えたっていいよね。

するとそこで、バレットからの突っ込みが入った。





「おい、ナマエ。おめえも相当懐いてるけどな。おめえはウェッジのこと言えねえだろ」

「うっ…それ言われると思ったけどさ…っ」





やっぱり言われた…!!

いやもういいけどさ!
もう自分でも認めてますから!!

尻尾ブンブンですよ、このやろう!





「ああ、そうですよ!懐いてますよ!あたしはクラウド大好きだ!」

「何急に開き直ってんだ、お前」

「あだっ」





べしっとギミックアームに頭叩かれた。
だから痛いっての!!

むー…としながら頭をさする。

するとバレットの視線はクラウドへ。





「おめーも何照れてんだよ」

「……。」





無言のクラウド。
へ…と見たら、ふいっとそっぽを向かれてしまった。

照れてる…って。
もしかして、さっきの大好き?

クラウドはすたすた歩いていく。





「ったく、惚気るならよそでやれ…」





そんな様子に、バレットは頭を掻きながらドでかい溜め息をついた。

でも…もし、本当に照れていたのなら。
クラウド、どんな顔してたのかな。

気になるな、見たいな、なんて…。

多分それ言ったらまた頭ぶっ叩かれるから、心の中だけで留めておいた。




To be continued

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