最後の研究室へ



「はー…毒々のせいでまだなんかキモチワルイ気がするよー…」

「エスナはしただろ?大丈夫か?」

「うん、だいじょーぶ。んー、なんていうか…気分の問題?あんないっぱい毒浴びせられたから気持ち悪かったーって後引いてる感じ」





あーあー言ってたらクラウドが気遣ってくれた。

無事に第二研究室を突破することが出来たあたしたち。
とりあえず順調にクリアすることが出来ているから、残す研究室もあとひとつとなる。

さてさて、ここからは中央端末まで戻れるのだろうか。

次にすべきことを考えながら進んでいると、その道は04と書かれた扉の所に繋がっていた。





「あ!あれ!見て!」

「ん?第四研究室か?」





あたしは見つけた扉を指を差した。
するとバレットも目を凝らす。





「扉を開けるには、中央の端末まで戻る必要がある」





レッドは冷静に言った。

今までと同じ。
第四研究室の扉も当然ながら閉じてしまっている。

来た道は扉が閉まって戻れないから、ここから中央端末まで続く道があるのかどうか。





「んー…見た感じ、行けなそうな気がするんだけど…」





あたしは柵に手を付き、全体を見ながら道を探してみた。

今自分たちのいる場所から中央端末まで行けるかどうか。
中央端末から繋がる道をいくつか目で辿ってみるけど、どうも繋がってる道はないような気がする…。





「またレバーがあるな。私が行ってこよう」





後ろでレッドがそう言ったのが聞こえた。
どうやらまたレッドだけが渡れる金網とその先にレバーがあったらしい。





「通信機じゃねえか。ティファたちに中央端末まで行けねえか聞いてみようぜ」





レッドが渡った先、そこに通信機があるのを見つけてバレットが提案する。

状況確認もしたいし、ここでティファたちと連絡は一度取るべきだろう。
それにやっぱり、あたしたちのところからじゃ中央端末行けなさそうだし。

そうしてあたしたちはレッドがレバーを下ろしてくれるのを待った。

だけど下ろしたその瞬間、足場となるところだけではなく、レッドの真上にあったポッドまでもが飛び出しそこからサンプルが飛び出してきた。





「おいっ、大丈夫か!?」





バレットが叫ぶ。
でもその時、あたしたちの真上にあったポッドも飛び出してくる。

って、ちょ…!!





「っ、クラウド!バレット!」





気付いたあたしは声を掛けた。

こっちのカプセルからもモンスター…!!

全員で一度飛び退き武器を構える。

まずい!
道は繋がったのに、これじゃレッドを助けに行けない!





「とにかくやるぞ!速攻で仕留める!」

「了解っ…!」





剣を手に走り出したクラウドを追う。
とにかく今は目の前のサンプルを急いで片付けてレッドを助けに行く。

迷ってる暇なんかない。
あたしたちはとにかく急いでサンプルたちを蹴散らした。

でも…。





「しまった!」





レッドの声がした。

ひとりで複数体のサンプルを相手にしていたレッド。
あたしたちが助けに向かおうとしたその瞬間、レッドはサンプルに飛び掛かられてそのまま下層階へと落ちてしまう。





「レッド!」

「っレッド!!」

「おい、まずいぞこりゃ!」





慌ててレッドが落ちた先を見ると、そこにはまたわらわらとサンプルたちが集まってきていた。

ちょっ、何でよりによって!
あれをひとりで相手にするのはどう考えても無理すぎる…!





「ど、どうしよう…!?あそこに繋がる道はっ…ええいっ、もう、飛び降りる!?」

「馬鹿!ダメだ、危険だ!」

「でもレッドが!!」





柵に手を掛けたらクラウドに肩を掴まれた。

確かに、レッドは運よくサンプルが下敷きになってくれていたから大丈夫だったみたいだけど…。

でもこれじゃ時間の問題だ…!
早くしないとレッドがやられちゃう!





「何か、何かない?!あっ、ふたりとも!あれ!」





どうにか助ける方法をと辺りを探した時、あたしは待機するティファとエアリスの姿を見つけた。

もしかしたら、ふたりの位置からならレッドのところに行けるかも。
そう指を差せばクラウドとバレットも頷いてくれた。





「ティファと話せ」

「ああ、そうしよう」





急いで通信機に向かう。
クラウドはすぐに通信を繋いでくれた。





「ティファ、聞いてるか」

『どうしたの?』

「レッドが下に落ちた。そっちから回り込めないか」





通信を受けたふたりは急いで動いてくれた。
やっぱり、今ティファとエアリスがいる位置からならレッドのところまで行けそうだ。





「お願い…ふたりとも…!」





祈るしか出来ない自分がもどかしい。

レッドは攻撃を避け、なんとか耐え忍んでいる。

しばらく耐えると、急ぎでティファとエアリスが駆けつけてくれた。
助けが来たことにより、レッドの方も攻撃に転じる。





「よかった…」





無事に蹴散らされたサンプル。
あたしはほっと息をついた。

そこからはレッドがこちらの状況をティファとエアリスに伝えてくれたらしい。

第四研究室の扉は見つけたけど、そこからでは中央端末まで行けない。
それを聞いたふたりはレッドを加え、中央端末に向かってくれた。





「あ、クラウド、通信だよ」

「ああ」





しばらく待つと、通信機に連絡が入った。
クラウドが起動し、あたしとバレットも周りに集まる。





「ティファか?」

『うん、エレベーター見つけたよ』





聞こえてきたティファの声。

なんと。
向こうチームは中央端末に向かう途中でエレベーターを見つけてくれたらしい。





「ほんと?やった!じゃあすぐ脱出できる?」

『ナマエ、残念。今は使えないの』

「ええ?使えないとは…?」





答えてくれたティファの声は暗い。
使えないってそれは…。





『動かなかったの。たぶん、宝条の仕業』

『奴の思惑通り、第四研究室へ行くしかなさそうだ』

「ええ…」





今度はエアリスとレッドが教えてくれた。

やっぱり宝条博士が満足するまで出してもらえないと。
面倒な性格してるなあ、本当…。

とりあえず、ティファたちが端末を操作したから第四研究室の扉は開いているはずとのこと。
クラウドは「待機してくれ」と言い、通信を終えた。

さて…。
じゃああたしたちは最後のお仕事に行かないとね。





「んじゃ、研究室の扉まで戻るか」

「はー…もう、さっさと終わらせよ。んでさっさと出よ、こんなとこ!」

「ああ」





こうしてあたしたちは通信機を離れる。
レッドがいなくなっちゃったけど、まあ3人でも何とかなる!

終わったらエレベーターが動くことを祈り、クラウドとバレットと第四研究室へ向かったのだった。



To be continued

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