美しさに女も男も無い
マムにドレスアップしてもらったあたしとエアリスは、ひとりでコルネオの屋敷に向かったと言うクラウドの事を迎えに行った。
歩く度、煌びやかに揺れるドレス。
髪も綺麗にセットして、それに見合う化粧もした。
慣れない…慣れなさすぎる。
普段と違いすぎる装いに、恥ずかしさが限界突破しそうだった。
でも改めて思い直せば、こんな格好を出来る機会なんてこの先にあるかわからないし…だったらいい記念なのかもと最終的には開き直る事にした。
だけど…びっくりしたな。
さっき、ジョニーに引っ張られて放り出された時、ヒールで足がもつれてズッコケそうになった。
あの野郎…。
思い出したらちょっとイラッとしたけど。
でもこける前にクラウドが咄嗟に手を伸ばしてくれて、抱き留めてくれた。
その時、本当に…本当にすぐ傍にクラウドがいた。
《…く、クラウド…》
《ナマエ…?》
見上げて目があって。
背中にはクラウドの手の温度を感じて…すごく近い。
うん、本当に、びっくりした。
そう言えばヘルハウスと戦ってた時も、吸い込まれそうになったのを庇うようにして抱きしめてくれたっけ。
あの時は色々必死だったけど、自分とは根本的に違うと言うか、しっかりとした、力強い腕の感触…。
…よくよく考えれば、この数時間に凄いことになってるような…。
…なんか、頭がくらくらした。
ていうか試合終わったらちゃんとお礼言おうって思ってたんだった。
それを思い出したあたしは今少し後ろを歩いているクラウドに振り返った。
「あっ、クラウド。さっき、ヘルハウスと戦ってた時、吸い込まれそうだったの助けてくれてありがとうね!」
「え?ああ…、別にそんな大したことじゃない。というか、礼ならあの時言われたぞ」
「言ったけど、でも終わったらちゃんと言おうって思ってたから」
「そんなに気にしなくていい」
「うん。あたしが言いたかっただけ」
あたしはそう笑った。
よし、これで満足だ。
まあお礼を言われて悪い気もしないだろう。
あたしが笑ったのを見てクラウドも微笑んでくれたし。
うん、良きかな良きかな!
笑ったの見れて、むしろめっけもんだね!
「ところで…なあ、ナマエ。何処に向かってるんだ?」
「あ、うん」
あたしたちは今、とある場所に向かって歩いていた。
理由はマムに教えて貰ったクラウドのことを気に入ったというある人に会いに行くため。
先を歩くエアリスは迷うことなくスタスタと街の中を進んでいく。
エアリス凄いな、あたし道全然覚えられてないんだけど。
「まあ、行けばわかるよ。着いてからのお楽しみ!もうすぐそこだったと思うから」
あたしはクラウドにそう答えた。
その場所に行くのは3回目だ。
だから曖昧とはいえ、流石に近くまで行けばああこの辺だったなというのはわかる。
でも、今は余計なことは言うまい。
いやだってこの先に待っている展開を想像するだけでニヤけそうというか…。
でもニヤついてたらただの不審者だからちゃんと頬に力こめて耐えてるけどさ…!
そうしてあたしたちは目的の場所にたどり着いた。
「ここは…」
チカチカとするネオンライト。
それを見上げたクラウドの声はちょっと困惑していた。
着いた場所は、蜜蜂の館。
状況が全く掴めていないであろうクラウドに、あたしとエアリスは何故ここに来たのかを説明した。
「蜜蜂の館!代理人のアニヤン・クーニャンに推薦状を貰うの」
「代理人3人の合同って事で特別にあたしたち全員推薦して貰えることになったんだよ!」
「そしたら、クラウドも一緒にコルネオのところ、入れるでしょ?クラウド、女の子の服も似合うと思う!」
「うん!クラウドなら絶対上手くいくと思うんだ!」
「ねー!」
「おいっ」
話を聞いたクラウドは焦り出した。
まあそりゃそうだろう。
でも残念ながら、あたしもエアリスも拒否を聞く気はないのです!
「マムが言ってたけど、アニヤンに目をつけられるなんて滅多にないことなんだって!だから、絶対いけるよ!」
「うん!本当に珍しい事みたいだよ!マムも驚いてたもん!」
「いや…」
「ティファを助けるため、でしょ?」
「3人で入れるならそれに越したことないよね!」
「待てっ」
「いい?するしないの話は、これで終わり!どうやっての話、しよう?アニヤンは人格者だって言ってた。あのマムがだよ?だから、まっすぐ事情を話してみよう!当たって砕けろ、ね!」
「ね!やっちゃおー!クラウド!」
「……。」
女装をしろ。
そう言われたクラウドはどうにか抵抗しようとしてたけど、ふたりがかりで捲し立ててしまった。
だってここは譲れないもんね!
え?クラウドの女装姿が見たいだけじゃないかって?うん!そこは否定しない!
いや勿論3人で入れた方がいいって言うのも本音だ。
だってクラウドが一緒の方がどう考えたって心強いでしょ。
そうふたりで圧を掛ければ、その勢いにクラウドは根負けする。
こうしてあたしたちは再び蜜蜂の館の中へ足を踏み入れたのだった。
「いらっしゃいませ。ウォール・マーケットで一番のエンタテインメントステージ、蜜蜂の館へようこそ」
「…アニヤン・クーニャンに会いたい」
クラウドは前に来たときと同じように受付でアニヤン・クーニャンに会いたいと伝えた。
ちょっと渋々気味だったけど。
前はここで3年待ちだと言われたっけ。
でも今回は違う。
受付のお兄さんはにっこりとクラウドに微笑んだ。
「クラウド様ですね。お待ちしておりました」
「どういうことだ」
「アニヤンより、お通しするようにと承っています。さあ、奥のステージへどうぞ」
「ステージ?」
「ええ。さあ、奥の扉までお進みください」
ここからはクラウドとは別行動。
クラウドだけ別室に通された。
その間、あたしとエアリスは館の中を色々と見て回っていた。
前回来た時は受付だけでロビーくらいしか見られなかったから、この機会にもう少し見てみたくて。
そうしてしばらく待てば、ショーが始まると言う案内がされた。
ショーはこの蜜蜂の館で一番広い部屋、ステージで行われる。
あたしたちはハニーガールさんに場所を教えてもらい、ステージのフロアへと向かった。
「あ!エアリス!もうはじまってるよ!」
扉を開くとその瞬間にパッとした照明と軽快な音楽が身体中に響いてきた。
ショーはもう始まっている。
その煌びやかな雰囲気にあたしは思わず「わあ」と声を漏らした。
そうしてステージを眺めているとその中で数人のハニーガールさんに腕を引っ張られてステージに上げられているクラウドの姿を見つけた。
「ナマエ、早く座ろ!」
「うん!」
アニヤンの計らいなのか、あたしたちには既に席が用意されていることをハニーガールさんが教えてくれた。
かなりステージがよく見える特等席。
なんだかちょっと恐縮です。
ステージでは色っぽいハニーガール、ハニーボーイさんたちが中央にある蕾のオブジェを囲うようにして華やかに踊っていた。
それはまるで蜂が蜜に誘われているみたいに。
そして蕾はゆっくりとその花びらを広げていき、その中からひとりのオーラある男の人が現れる。
あの人が、アニヤン・クーニャン!
一目見た瞬間、何故だかその人がアニヤンだと確信できた。
なんというか…独特な雰囲気はあるんだけど、オーラが圧倒的だったのだ。
「蜜蜂の館へようこそ、クラウド」
アニヤンはステージに立ちつくしていたクラウドに近付き、艶やかにお辞儀をした。
流石はナンバーワンだろうか?
その仕草ひとつとっても洗礼されている。
なんだかちょっと見惚れた。
「推薦状が欲しいんだって?」
アニヤンはクラウドに歩み寄ってそう尋ねた。
でもクラウドが何か言う前にアニヤンはそれを止めた。
まるでみなまで言わなくていいと言うかのように、クラウドの唇にちょん…と人差し指を当てたのだ。
う、うわあ…。
それを見たあたしは何だかドキドキした。
え!いやだって唇て…!なんか、えろいじゃん…!
…なんかこの街に来てから度々えろいという単語が頭に浮かぶんですが…。
流れるような所作にクラウドもされるがままだし…。
でも、アニヤンは今推薦状と言った。
それは話が通っている証拠だ。
「では、花嫁にふさわしいとダンスで証明してもらおうか!」
アニヤンはそう言ってリズミカルに踊りを再開した。
さあこちらに来いとクラウドを誘っている。
だけどクラウドがそんな事にすんなりとノッていくはずもなく、彼は拒否するようにステージから引き返そうとした。
しかし周りで踊るハニーガール、ハニーボーイのダンサーがそれを阻止する。
クラウドの前に立ちふさがったり腕を引いたりクラウドはなかなか引き返して来られない。
「あーらら、クラウド戻ってこれないね。ふふっ」
「うん、でも阻止するダンサーさんたち凄い…。それすら演出に思えるくらい違和感ないよ…」
クラウドを連れ戻すダンサーさんの動きはどこまでも優雅だ。
本当、見ているこっちとしては凄いの一言。
そんなだからクラウドとは対照的にあたしとエアリスの方は楽しくなってきていた。
明るい音楽、軽快なダンス、煌びやかな演出。
あ、うん。
今なんだかとってもテンション上がってる!!
しばらくすると連れ戻すハニーボーイさんの腕を振り払った拍子にクラウドがあたしとエアリスに気が付いてくれた。
テンションが上がってるからかな?
なんだかそれだけで妙に嬉しくなる。
あたしたちはふたりでキャッキャとクラウドに手を振った。
「フゥーフゥー!!ふふふっ!」
「クラウド〜!!フゥー!!あははっ!!」
テンションは最高潮!
もういっそクラウドも楽しんじゃえよ!!
それを見たクラウドの顔はうんざりとしていた。
あんたらな…みたいな呆れ顔。
でも、いつまでも渋っていたところでどうしようも無いのも事実。
これもティファを助けるため。
推薦してくれる代理人からの要望だ。
クラウドはゆっくりとアニヤンに振り返る。
するとアニヤンもクラウドを見ていて、さあこちらにとクラウドが立つべき場所をライトアップさせた。
そこまで来たらクラウドも遂に覚悟を決めたらしい。
もしかしたら、ちょっとヤケクソ?
クラウドは意を決し、ステージへと上がっていった。
そこからは音楽も変わり、クラウドとアニヤン、ふたりだけのステージとなった。
「おお、クラウド凄い…!」
クラウドは最初こそ少し戸惑っていたけど、すぐにリズムを掴んでアニヤンについていっていた。
ていうか…え?普通に凄いなクラウド。
動きには固い様子も無く、それは普通に上手いと賞賛出来るダンス。
え、なに?ソルジャーってダンスまで出来るの?
これはこういう依頼が来てもバッチリじゃないかクラウド!
いやそんな依頼あるか知らないけど!むしろクラウド受けなさそうだけど!
ふたりのそんなパフォーマンスに会場全体の熱が上がっているのを感じた。
「ひゅーひゅー!」
「ひゃー!クラウドー!!やっばいどうしよエアリス、あたし今超楽しい!」
「ふふ、ナマエ、大丈夫。私もすっごく楽しい!」
「だよね!?」
「うん!クラウドー!のりのりー!?」
「クラウドー!カッコイイー!!」
闘技場で戦ってた時、思いっきり歓声を上げるって楽しそうだなって思ってた。
クラウドにカッコイイー!!って叫ぶとか。
今、念願叶ってしまった。
ああ、今ならあの観客たちの気持ちがわかる…!
こ、これは…楽しい!!
楽しいよクラウド!!
きゃー!とエアリスと声援を送れば、クラウドは数分間のパフォーマンスを見事に踊りきった。
本当に、見事の一言に尽きる。
その瞬間、会場中から歓声と拍手が巻き起こった。
「いいね、キュンとしたよ」
クラウドのダンスにはアニヤンも大変満足したようだった。
最後のポーズから息を整えて立ち上がるクラウド。
自分の期待に応えたクラウドをを見て、アニヤンはこちらの頼みを了承してくれた。
「いいだろう。腕によりを掛けて、お前を最高の花嫁にしてやろう。さあ、おまちかねのショータイムだ!」
アニヤンがそう高らかに叫べば、また音楽が鳴りだした。
今度はなんだろう?
見ていれば、どこからかハニーガールさん達が椅子を持ってきて、そこにクラウドを座らせた。
でもその先はよく見えなかった。
何故なら周りでハニーガールさん達が羽根のついた大きな扇子を持って、それでクラウドを隠すように踊っていたから。
ハニーガール、ボーイたちのダンス。
そのショー自体も煌びやかで楽しいモノ。
だからエアリスは先ほどと同様、ルンルンと楽しそうに隣でリズムに乗っていた。
あたしも楽しんではいたけど、でもちょっとクラウドの様子が気になっていた。
アニヤン、お前を最高の花嫁にしてやろうって言ってた。
つまり今クラウドは、あの扇子の向こうでドレスアップしてもらってるとか…そういうことなんだろうか。
もしそうだとしたら…それは期待か不安か。
なんだろう。でもなんだか心臓がドキドキとしてきたような。
やがて音楽は終盤へと近づく。
その時、ふわっと扇子の羽根がなびいて、クラウドの前から外される。
するとそこに現れたのは、紺や黒、紫などダークな色合いを基調とした美しいドレスを身に纏った金髪の美女。
「へ…」
その人を見た瞬間、あたしの口からは思わず間の抜けた声が漏れた。
高鳴った心臓。
期待と不安のドキドキは、トキメキに似た音へと形を変える。
き、綺麗な人…!
そう思うと同時に、勿論気が付いてる。
その美女はクラウドだ。
「す、すごい…」
わあ…と口は開いたまま。
いや、ね?なんというか、もともと綺麗で中性的な顔立ちだなとは思ってたけど、あたしの中では勿論、クラウドは男の人だったわけだ。
でも今ステージの上にいる人は、何処からどう見ても綺麗な女の人…。
いや多分、普通に感動してたんだと思う。
そしてショーは女装したクラウドとアニヤンのダンスで幕を閉じる。
その瞬間、会場は今宵一番の拍手と歓声に包まれたのだった。
「今日のステージやばかったな!」
「見て見て!喜びのダンス〜!」
「ちょっと興奮しすぎ!」
「だって楽しかったんだもん!」
「いいから来いって、飲みながら話そうぜ!」
ショーが終わり、建物の中から続々と人が出て来る。
その人達は皆先程のショーの観客で、誰もがショーの演出に興奮冷めやらぬ様子だった。
あたしとエアリスは館の外に出て、そんな人たちの様子を見ながらクラウドが出て来るのを待っていた。
程なく、先程ステージで見た美女…ドレスを身にまとったクラウドが館の中から出て来る。
それを見つけたあたしとエアリスはすぐに駆け寄って声を掛けた。
「クラウド!お疲れ様!」
「クラウド!すごいステージだったね!」
労いと誉め言葉。
でもクラウドはこちらを見ずにスタスタと歩いて行ってしまう。
うーん。
これは聞えてないわけでは無く、わざとかな。
あたしたちは追いかけて、もう一度声を掛けた。
「クラウド〜?」
「クラウドさん、ですよね〜」
2回目でようやくクラウドは足を止めた。
でも止まったのはある建物の一角、ちょっと影になったスペースだ。
「やめてくれ…何も言うな」
そこに来てやっと振り返ってくれたクラウド。
あたしたちに絶対何か言われると察していた彼は、先手を打って何も言わせまいとしてきた。
だがしかし、そんなもんあたしたちには関係ないのです。
だってやっと間近で見れた!!
正直ずーっと、近くで見たくてうずうずしてた!!
目の前で見られて、その疼きはまた興奮へと変わる。
何も言うななんて、到底無理な話だった。
「ちょっとだけ!」
「うん!一言だけ!」
「ダメだ!」
「「可愛い〜っ!!」」
ダメだと言われてもなんのその!
そんなの無視してあたしとエアリスはきゃー!とクラウドの可愛さにはしゃいだ。
いやだって本当に凄い!超凄い!
めちゃくちゃ可愛い!!超可愛い!!!
クラウドだってこうなることはわかっていただろう。
はしゃぐあたしたちを前に彼はガックリと肩を落とした。
でもさ、これ本当やばいよね!?
エアリスは一言だけって言ったけど、こんなの一言で収まるか!!!
「ちょ、無理…!クラウドほんと可愛い!可愛過ぎる!ちょっと待ってて、あたし今カメラ買ってくるから!!」
「なっ…ばっ!ちょ、ナマエ!行くな!」
熱が上がりきったあたしはクラウドのこの姿をなんとかして残さねばと思い立ち、カメラを買いに行くべくその場から走り出そうとした。
が、即座にクラウドに肩をつかまれ不発に終わる。
くそう!こんなの絶対残しておくべきなのに!!
「クラウドー…」
「な、何だ…」
「折角こんな綺麗なのに〜。ていうかいやほんと美人過ぎて…」
振り返って、またじっと見つめた。
ああ、やっぱりなんか凄くソワソワする。
目の前の人が金髪美女過ぎる…。
これ、あたし男の子だったら惚れちゃいそう…。
いやまあ、男の姿でもときめきはするというか…。
そもそもあの時のお兄さんとそっくりな時点でクラウドの顔はあたしにとってドストライクなわけなんだけどね。
「っ…頼むから、そんなに見ないでくれ」
「おおと」
ついついじーっと見つめていたら、クラウドは手であたしの視界を遮ってきた。
それでちょっと我に返る。確かに見すぎてた感はある。
いやでももっと見たい!
いくらだって見ていたい!!
写真が駄目なら少しでもこの目に焼き付けたいっ!!!
そんなあたしを前に、クラウドは頭を抱えて何やらぼそりと呟いた。
「…なんで、あんたの前でこんな…」
「え、なに?」
「…っなんでもない」
聞き返せばふっと顔を逸らされた。
むー。
もっとまじまじ見たいのに。
まあ、こんな所でいつまでもだらだらしてる場合じゃないのはわかってるんだけど。
うん。準備は整った。
あたしもそろそろ少し落ち着く努力をしよう。
「ん、まあでも本当にお疲れ様、クラウド。ダンス、凄かった!格好良かったよ!」
「……。」
「これでクラウドも一緒に来られるんだよね。うん、結構ホッとしたかも」
「え…?」
「だってさ、実際のところ何があるか分からないし身構えてる部分もあったもん。クラウドが一緒ならそりゃ心強いでしょ?」
「…ナマエ」
欲望の街のドンの屋敷。
それだけで、癖があるのは目に見えてる。
中にいるティファと早いところ合流出来ればいいけど、もし戦闘とかになったらエアリスの事ちゃんと守らなきゃとかね。エアリスだって強いけどさ。
するとエアリスがちょんちょんとクラウドをつつき、くすっと笑った。
「良かったね、クラウド。頼りにされて」
「……。」
クラウドは顔をしかめてた。
ん?頼ってるのなんていつもの事だけど。
ま、なんにせよこれで万全。
「じゃ、ティファ救出、張り切って行こうか!」
さて、作戦の本番はこれから。
やっとティファに会いに行ける!
あたしは気持ちを切り替えて、ふたりにそう声を掛けた。
To be continued
prev next top