カイン

「…なんだ?」





じいいっ…と私はカインさんをひたすら見つめていた。
そんな視線に気がついた彼は私にそう尋ねてきた。






「いーえ、お気になさらず」

「…そんなに見られて気にするなと言うのは無理だろう…」





そう言われ「ふっ…」っと息をつかれてしまった。

仕方なく、私は思ったことを口にした。





「いや、仮面、もったいないなって」

「もったいない?何がだ?」

「お顔、よく見えないじゃないですか」





素直に答えたにも関わらず、今度は意味がわからないとでも言いたげの溜め息をつかれてしまった。

…結構わかりやすく言ったつもりだったんだが…。





「カインさん、結構綺麗なお顔していらっしゃるのに、もったいないです」

「…意味がわからん」

「そのままの意味でしょう。これほど分かり易い説明もありませんよ。とりましょーよー、それー」

「とらん」





にやにやしながら仮面に手を伸ばしたら、軽くサッと払いのけられた。

うむむ、残念…。
カインさんのケチ。


私、好きなんですよ?

あなたの瞳。

生真面目で、すごく綺麗な瞳をしてるのに。隠しちゃうなんて。

本当、もったいない。


END


カインは男前!っていう主張。←

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