ホープ

「ホープはさ、好きな人っているの?」

「は、い…?」





小休止。
隣に座って、尋ねた質問。

するとホープは、驚いたみたいに目を丸くした。





「な、なんですか、急に」

「んー、だってさ、ほら、ヴァニラとかライトとか、その辺?」

「へっ!?ヴァニラさんにライトさん!?」

「うん。ヴァニラとは、結構仲良しじゃない?ライトにも、憧れてる感じあるでしょ?」

「い、いや…それは」

「あ。それとも、もしかして学校に好きな子いた?」

「べ、別にいないです…!ていうか本当、何なんですって急に!」





まるで焦ってるみたいに、ちょっと張った声。
顔も赤い。

ああ、可愛い反応だなあ。

そんなことを思う。

まあ、何気ない話題で振ったつもりだけど。
でも結構気になってたのは否めない。





「んー、だって、どうなのかなーって気になってたから」

「なんでそんなこと…」

「えー?もしかしたら、そういう感じなのかなーって!」

「別にそんなことは…」

「ふーん?そうなの?そっかー。なら、よかった!」

「よかった?」





私の言葉にきょとんとするホープ。

あ、その顔も可愛い。
なんて。

そんなことをつい思うあたり、私もなかなかきてるなぁと。




「よかったって…何が」

「うん、私、ホープのこと好きだから」

「は!?」





大きな声。
顔もぼっと赤くなった。

おや、今日で1番いい反応。





「な、なななな…っ」

「ふふふー」

「っ、か、からかってるでしょう?」

「あははっ!ちょっとねー」

「…ちょっとって」

「でも、本心だよ?私、ホープのこといいなあって思ってるもん」

「っ…!」





わかりやすい動揺。
目を丸くして驚く。

でも、私はここまで、本心しか言ってない。

ちょっとだけからかってたのは本当。
でも、好きな人がいるのかなって、私自身が知りたかったのも本当。

君を好きだなあ…って思ってるのも本当。





「だからね、意識して欲しいなあと思いまして」





じっと目を合わせて、にっこりと一言。

相変わらずホープは動揺してる。
でもそんな反応もこちら的にはキュンとするばかりなのです。





「ふふ、好きな人いないなら頑張っちゃおうかなーって」

「が、頑張るって…」

「覚悟しておけ!なんてね〜」

「な…」





よし、言うことは言ったかな。
これからアタックしていく所存。

よーし、頑張るぞー!

なんだかすっきりして、よいしょと立ち上がる。

するとその時、パシっと腕を掴まれた。





「ホープ?」

「い、意識なんて…とっくにしてるのに…」





私の手を掴んだホープ。
そしてそう呟いた彼の顔は、今までで1番真っ赤だった。



END


最後の台詞を言わせたかったやつ。


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