クラウド

最初、出会った時はすました奴だなあって思った。

でも一緒に旅をしていくうちに、その印象は変わる。

実は結構優しかったり。
ちょっと抜けてるところもあったり。

気が付けばあっという間。

君は私の好きな人になっていた。





「ふむ」





じっと見てみる。

ツンツンとした、綺麗な金髪。
不思議な色の青い瞳。

ああ、やっぱり好きだなって思う。

でもそうした時に、思うのです。

この気持ち、どうするよって。

多分、見ているだけで自分に向けられた好意に気が付くような奴じゃない。

私の好きな人…クラウドとはそういう男だ。
状況把握とかは出来るくせに、こういうことに関しては鈍感極まりないだろう。

そうすると…辛抱強くじっと待つか、あるいはぐいぐい押してみるか。





「…なんだ、さっきからじっと見て」





青い瞳がこちらに向いた。

どうやら私の視線に気が付いたらしい。
いや多分、結構前から気付いてただろう。

私も隠すつもりもなく見ていた。
そりゃ当然、気が付くわってなもんだ。

でも、それでいい。

だって、私の作戦は、後者に決まっていたから。





「うん。格好いいなあって思って見てた」

「はっ?」





素直に口にしてみた。
にっこりと笑って。

するとクラウドは目を丸くした。

あ、良い反応。

まあこんなこと言ったことないし。





「な、なにを…」

「ん?だって、そう思ってたんだもの」

「は…」

「格好いいね、クラウド」

「ちょ、ちょっと待て…」





一、二、三歩と…近づきながら言ってみる。

すると、同じ分だけ下がられた。

下がるなし。
いやでも正直ちょっと楽しいけど。

だって、戸惑っているのが丸わかりだから。





「いきなりなんだっ…」

「んー、実際はいきなりじゃないけど。いつも思ってることだし」

「は…?」

「って言ったら、どうする?」

「なっ…」

「うん、でも実際本当だから。クラウドどう思うのか気になるなあって思って」

「…!!!」





相変わらず、にっこりと。

クラウドも目を丸くしたまま。
でもその頬は…なんだかほんのり赤みを帯びたような。

あ、やばい。
なんだかとても楽しいかも。

純粋にクラウドの反応が面白いのもある。

けど、これって少しは意識して貰えてるって考えてもいいのかもって。





「ね、クラウド」

「……。」

「私、これから君にアタックするから、覚悟してね」

「なっ…!?」





動揺する。
青い瞳が揺れる。

そんな反応が面白くて、好きで。

思わず「あはは」と笑ったら、「なんで笑う…」って、ちょっと必死に平静を装うような、そんな顔で怒られた。



END


動揺クラウド好物です。


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