クラウド

ニブルヘイム。
そこは、私の住んでいる小さな小さな田舎の村。

村中がご近所さん。
村の中なら知らない顔なんてない。
それくらい、小さな村。

そんな中で、私を含め、この村には同じくらいの子供が6人いた。
男の子が4人。女の子が2人。

でも、いつも遊ぶのは5人だった。





『おそかったね!』

『ご、ごめんね!ティファ』





待ち合わせたのは、私ともうひとりの女の子、ティファの家。
私がティファの家に着いたころには、もういつものメンバーが集まっていた。

男の子3人。女の子2人。

…もうひとりの男の子は…。





『あ!クラウドだ!』





そんな声が聞こえて、ふと窓の外に目を向ける。
そこにあったのは、金色の髪の男の子の姿。

クラウド…。
いつもの仲間のなかにいない、唯一の…男の子。

同じ村に住んでるのに、遊んだことも…ううん、喋ったことすらほとんどない。

みんなが何して遊ぼうかと話し出す。
でも、私は窓の外にいるクラウドをじっと見つめていた。

私、本当はクラウドと話してみたかったし、遊んでみたかった。
でも…みんながクラウドと距離を置く手前、話しかける勇気が出なくて。

……きっと、今思うと、私、クラウドの事、好きだったのに。





「……クラウド」





そっと、ひとりきりの部屋で、私は貴方の名前を呟いた。

あれから…2年。

貴方は、2年前…村を出て行った。
男の子は、みんな村を出ていっちゃう。

それは、小さな片想いだったから…。
私は、引っ込み思案で…はきはきしてるティファが、羨ましかった。

だから、胸にずっと、貴方への思いはしまったまま。


ねえ、でも…いつか村に戻ってくる日、来るかな?
今度…村にソルジャーの人が来るんだって。
都会から誰かが来るなんて、珍しい。


クラウドは、ソルジャーになるって言ってたね。


ねえ、クラウドは来ないのかな?

ねえ、私ね、次に会えたら…思い切って言ってみたい。



気弱な自分が嫌だった。

だから、叶わなくてもいい。
でも、ここまで抱いた思いだから、言ってみたい。

そうすれば、なんだか変われる気がするから。





「…クラウド、好きだよ…」





この言葉、次に貴方に会えたなら。



END


片想い。
というか、設定的には悲恋…。むしろ死ネタ…?
クラウドは正体隠してるし、村火事になるし…、生き残っても黒マント化…。
うわ、暗っ…。←


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