アーロン

昔から、私は勘に優れてた。
良いことも、嫌なことも、予感は…当たる。





「死人、か…」





グアドサラムの異界の入り口。

そこで私は気がついた。
生ける伝説だと思っていたガード、アーロンが死人だってことに。





「…本当に勘が鋭いのだな」

「誉めと受け取ります。大丈夫、他言はしませんよ」





まだ他のみんなは気づいてない。
別に今言う必要も無いだろう。

だけど、私は…今、気づけて良かったと思った。





「私、勘が鋭いの嫌だったんです。気づかない方が良かったことも、勘づいて…見て見ぬふりをして…辛いこと、よくありました。今も、ある意味ではそうなのかもしれません」

「…ある意味?」

「はい。貴方が死人で、残念な気持ちで一杯です。でも、気がついて良かったと言う気持ちの方が大きいんです」





アーロンさんは不思議そうな表情を浮かべる。
それを見て、そっと微笑んだ。





「シンがいて、私たちはいつも誰かとの別れと隣り合わせです。傍にいた大切な人がいきなりいなくなる…、覚悟もなにもないまま、突然に」

「……ああ」

「死人と言うことは、アーロンさんには何か未練がある。貴方はその未練が絶たれれば、異界にいくつもり、ですよね?そしてそれは、この旅の果てにある。…まあ、勘ですけど」

「…こんなに信憑性のある勘もないな」

「ふふふっ」





そう。それはあくまで勘。

でも、それだけで充分。





「その間に、伝えたいこと、全部伝えられます。伝えようって、思える」

「…俺に対して、か?」

「もちろんです。そうですね、じゃあ…恐れ多くて言えませんでしたけど、折角なので言っておこうかな。私、アーロンさんの事、大切な仲間だと思ってます」

「…別に恐れんでもいい。…俺も思っていることだ」

「わ、それは光栄ですね」





とっても嬉しい言葉。

そう思って貰えたからこそ、余計に思える。





「だから、大切な人にちゃんとしたさよならを言えるの、嬉しいんです」





異界の入り口。
きっと、そう遠くない未来…貴方が逝くその扉を見て、ぽつりと呟いた。



END


正直、書いた本人が意味不明。(おい)


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