花火に消された言葉
「あら、ナマエ。おかえりなさい」
「え、エアリス…」
ホテルの一室。
皆より先にロビーを後にした私が何気なく窓の外を眺めていたら、今日くじ引きで同室になったナマエが戻ってきた。
おかえりなさいって言うのも、ちょっと変、かな?
でも、まあいいかな。
そう思ってにっこり笑いかけると、そんな私見て、ナマエは目、ぱちぱちさせてた。
「どうかした?私、なにか変?」
「え、や…ううん。なんか言いかけて、そのまま部屋に行っちゃったから…気になっただけ」
「そっか。うん、大丈夫だよ。心配掛けてゴメンね?」
そうやって謝れば、「全然!ならいいんだ」って、ナマエは笑った。
その笑顔、見て思う。
…ナマエはよく笑うね。
とってもとっても、よく笑う。
…不思議、だね。
なんだか、つられて笑っちゃう。
「ね、エアリスは…古代種の神殿、早く行きたい?」
ぽすん、と…ベッドに腰掛けながら、少し真剣にそう聞いてきたナマエ。
私は、その問いに、ゆっくりと頷いた。
「…そうだね。不安な気持ち、あるけど…。でも、行ってみたい」
「……そっか。やっぱ、気になるもんかあ…」
古代種の神殿。
その名前を聞いた時から、ずっと何か、うずいてる気がしてる。
確かに不安もあるけど…でも、早く早くって。
「ねえ、ナマエ。見つかったら、一緒に来てくれる?」
「え?」
「ね、お願い。ナマエが来てくれたら、心強いなー、私」
微笑みながら、お願いする。
そしたらナマエ、笑って頷いてくれた。
「お!了解!ボディーガードだしね!」
「ふふふっ、本当、頼もしいボディーガードさん、だね」
また、ふたりで笑った。
…ナマエ、きっとさっきのこと気にして気遣ってくれてるんだ。
きっと、そうなんだと思う。
だから心の中で「ありがとう」って、そっと呟いた。
「そういえば…なんだか、ナマエとこんな風にお喋りするの、久しぶり」
「あー、言われてみれば。そうかも!」
ナマエが腰掛けたベッドの隣。
つまり、ナマエの向かい側に私は腰掛けた。
嬉しそうに笑うナマエは、本当に可愛い。
なんだか妹が出来たみたいで。私もクスクス笑った。
「ねえ、ナマエ。私、ナマエに質問があるの」
「ん?なーに?」
向かい合って、尋ねた。
それは、ずっとずっと聞きたかったこと。
ううん。前にもなんとなく聞いたし、確信はしてるの。
でももう一度、ちゃんと。
「ナマエ、クラウドのこと、好きなのよね?」
「ぐふっ!?」
そうやって聞いた瞬間、ナマエは目を見開いて、空気を詰まらせて、顔を真っ赤にした。
この反応を見て、やっぱり改めて確信。
と、言うよりは…こっちに話を持って行きたかったから、切っ掛けを作るための質問、だったんだけどね。
「え、エアリス…!なに急に!」
「急、じゃないでしょ。私、いいこと思いついたの。今夜、クラウド誘ってデートしておいで?」
「で、デート!?」
いちいちリアクションが大きくて、本当、面白い子。
でも…だってここ、ゴールドソーサーだもの。
こんないい機会、きっと無いよ?
だってクラウドも…きっとナマエのこと…。
クラウド…滅多に笑わないけど、でも、ナマエ見てる時は…たまに小さく微笑むの。
私、知ってるよ?
「い、行くならエアリス一緒に遊びに行こうよ!ほら、ボディーガードの報酬、デート1回だったよね?」
「だーめ。今夜はクラウドとナマエが行くの!」
「ど、どうして!」
「いいじゃない、クラウド格好いいし。なあに、それともナマエ、クラウドのこと、嫌い?」
「え?!…や、嫌いでは…!」
「じゃあ、好き?」
「そりゃ…まあ、でもそれはっ…!」
「はい。じゃあデート決定」
「ええ!?なにこれ!?誘導尋問!?」
「いいから、こっち来て!少し髪型とか変えて、お洒落しようね」
「エ、エアリス!?」
ナマエの手を引いて、髪をいじりやすい様に腰掛けさせる。
櫛を持って髪をとかし始めると、ナマエはやっと観念したみたいに大人しくなった。
よしよし、良い子。
ゆっくり、丁寧にナマエの髪を梳く。
そうしながら、聞いた。
「…ねえ、ナマエ?どうしてそんなに否定するの?私、クラウドはナマエの事、結構気にかけてると思うよ?」
「な…っ、そ、そんなことあるわけないじゃん…!」
「どうして?」
「ど、どうしてって…そりゃあ、もしそうだったらクラウドどんだけ物好きなのって話でしょ…」
「…もう。いつもあんなに元気一杯なのに、どうしてクラウドの事になると、そんなネガティブになっちゃうのかな?」
そう。いつも思ってた。
ナマエ、クラウドの事になると、途端に後ろ向きになっちゃうの。
恋すると、人は臆病になったりするもの。
でもナマエの場合、ちょっと臆病すぎ。
いつもあんなに明るい分、その反動みたい。
「じゃあ、ちょっとだけ話変えるね」
「え…?」
「初恋のお話、しよっか?」
にこっと笑えば、ナマエは首を傾げてた。
あれはそう、確か、初めてナマエと会った日。
ナマエ、教えてくれたでしょ?
「ナマエの初恋のお兄さん、クラウドに似てたんだよね?」
「え、あー…うん」
ナマエは頷いた。
ナマエの初恋…。
少しだけしか、聞いた事、無かった。
でも、この話も、もっとちゃんと聞いてみたかったの。
「それって、見た目がってこと?」
「うん…、違うのは瞳の色くらいかな…。そんくらいそっくり」
「瞳?…ねえ、でもソルジャーは瞳の色、皆一緒だよ?その人、もしかしたらクラウドなんじゃない?」
「ううん、違うよ。その人神羅の兵士さんだし。会ったの5年前だけど…、その時クラウドはもうソルジャーだったって言ってたもん」
「……ふうん」
「ていうか、エアリスも聞いてたよね?クラウドが否定したの」
「聞いてたけど…」
相槌を打ちながら、私は考えてた。
…ねえ、ナマエ。
私…ずっとずっと、クラウドを見るたびに…不安に思ってること、あるの。
「ね、ナマエ。クラウドってね、私の初恋の人にも、似てるんだ」
「…え…?!」
「でも見た目とかじゃなくて。そう、手の動かし方とか…小さな仕草とか…」
「……。」
「あー、少しヤキモチ、妬いたでしょー?」
「なんっ…妬いてません!」
「ふふふっ」
クスクスと、笑みをこぼした。
…彼とクラウド。
似てないのに、でも似てる。
まるで…貼り合わせでもしたみたいに…。
わからない…、わからないけど…。
ねえ、ナマエ。
もしかしたら、貴女は…本当のクラウドを見つける欠片、持ってるんじゃないかなって…私、思うの。
本当のクラウド…掴めなくて、どこにいるのか、わからない。
でも…探してあげないと、いつか壊れてしまいそうで。
…それに、ね。
誰かを想う気持ちって…とっても強いものだと思う。
自分でも戸惑ってしまうくらいに、自然と溢れてくるものだから。
…だからこそ、きっと偽れない。
だからクラウドが誰かを想う気持ちは…。
それは、本当のクラウドの…想い、だから。
クラウド、きっとナマエに惹かれてる。
だからナマエ…、貴女もクラウドのこと想ってるなら…。
まだ、ゆっくりでいいから。
少しずつ…ちゃんと、向き合ってみて欲しいの…。
何より、二人の幸せのために…。
私はそう、祈ってた…。
「……。」
とんとん、ブーツが鳴る。
聞きなれた自分の足音が廊下に響く。
あたしは黙ったまま、ぎゅう…っと服の裾を握りしめた。
なんで、なんでこんなことに…!!!
そう心で叫びながら、あたしはホテルの廊下を歩いてる。
部屋に戻ったあたしは、何故か髪をいじられ、軽くメイクをされ「いってらっしゃーい」と問答無用でエアリスに部屋を追い出された。
しかもそれを廊下でじゃれてたユフィとレッドXIIIに見られて、「何何?クラウドー?」「ナマエかわいー!」とかニヤニヤされた。
…くそう、あいつら。ウータイで否定したのに、ちっとも信じてない…!
いやまあ…否定が嘘ですけど…。むしろドンピシャですけど…!
「……うー…」
そんなこんなで、あたしはとある部屋の扉の前に立っていた。
…クラウドが休んでる部屋の扉の前。
だって、エアリスが部屋開けてくれないんだもん…!
ああ、なんで…なんでこんなことに…。
もう何か泣きたいんですけど…!
でもきっと、せめて誘うくらいはしないと…エアリス絶対許してくれない…!
嘘ついてもなんかバレそう…!だってエアリスだし!
…ということは、もう選択肢は残って無い…。
「………。」
しばし考え、グッ…と拳を握って決意した。
く…こうなりゃ玉砕してきてやんよ!
「断られたぞー!」って爆笑しながらユフィとレッドと遊び倒してやらああ!!!
…もう、自分でもわけがわからんヤケクソモード。
そんなテンションのまま、あたしは扉をノックした。
こんこん、と小さな音。
しばらく待つと…開いた。
「……ナマエ…?」
「…ど、どもー…」
ノックに気付いて扉を開けてくれたクラウド。
でも…その先に居たあたしを見るなり目を丸くしていた。
…その反応に改めて居たたまれなくる…。
なにこれ、なんかの罰ゲームですか!?
「…どうしたんだ、その髪と化粧…」
「いやこれは、エアリスが無理矢理ね…」
「エアリス…?」
「お、お見苦しいものをお見せして申し訳ないです…」
「え?…い、いや、別にそんなこと言って…」
「いいのいいの!自分が一番わかってる!」
ウォールマーケットでのドレスアップだって見苦しかったに違いない!
コルネオは相当の物好きか、頭がいかれてたんだ!
ていうかアイツはいかれてるか。
…あああもう!心臓うるさい…!
さっきからバクバク言い過ぎてる。
そんな働かなくて大丈夫だからマジで!
というかあたし!
ここまで来たんだ!さっさと言っちまえ!!
そんでさっさと笑われに帰るよ!
ええいっ!どうにでもなれえええ!!!
本当、本気で物凄いヤケクソ状態。
ぐっと顔を上げて、あたしは言い切った。
「あ、あのねクラウド!今から一緒に遊びに行かない!?」
ズバッと。
でも…言いきってから…思った。
なんか気合入れ過ぎて喧嘩腰みたいになってない…?
ああもう本当に泣きたいよ…あううう…。
もうなんか色々自滅してる気がしてならない。
現にクラウドは更に目を丸くしてる。
「…俺と、か?」
「う、うん…!って、あ!無理にとは言わないから!やっぱ疲れてるよね?うんうん、そうだよね!」
「え…」
「ゴメンね!お邪魔して!そんじゃあたしは帰りまーす」
コイツ何しに来たんだって感じだ、絶対。
…物凄く意味不明な行動とってるな、あたし。うん、自覚はある。
だって前にクラウドとゴールドソーサー回ったことはあるけど…あれは何かこう、残り物同士って言うかさ…そんな感じだったわけだし…。
今みたく面と向かってわざわざ誘うってのは…。
だけど、それでもあたしは言ったのだ。
これって頑張った…よね?
うん、これで胸張ってエアリス達んとこ戻れる。
あー、あたし、よくやった!
なんだかとっても満足。心は晴れやかだ。
あたしは早々とクラウドの部屋を退散しようと背を向けた。
でも、その時…。
「お、おい!ナマエ…!」
くん…っと手首を引かれた。
「……!」
一瞬、息がとまったかもしれない。
ゆっくり振り向いて見れば、手首を掴んでるのは…クラウドの手。
う、え…?
「く、クラウド…?」
あたしは恐る恐る、クラウドの顔を見上げた。
「…俺、何も言って無いだろ…」
「へ…?」
「…見苦しくなんか、ない…」
「え…」
「…その…雰囲気変わって…悪くない、な」
「…な…」
ビクッ、と肩が跳ねた。
それが自分で凄くわかった。
クラウド、何言ってんの…?
なにこれ。これ、夢…?今、どういう状況…?
耳が熱い。
クラウドの声が響くたび、どんどん熱くなる。
「…どこか回りたいなら、俺でよければ…付き合う」
優しい声が響いてくる。
…どうしよう。どうしよう。どうしよう。
言葉が出てこない。
あたしは、ただ、頷いた。
掴まれたままの手首も、酷く…熱かった。
「わあ…きれー…!」
ごとん、ごとん。
ゴンドラが揺れる。
夜のゴールドソーサーの景色。
もちろん見るのは初めて。
花火が上がって、ライトが七色の風船を照らす。
うん、すごく綺麗だ。
見とれるほど、あたしはその景色に夢中になってた。
でも、ちらっと少しだけ視線を外せば…そこに映るのは金色に輝く髪。
ひとつのゴンドラの、この小さな空間に…今あたしはクラウドと二人きり。
「…クラウド、ありがとね」
あたしは光の溢れる窓から視線をクラウドに戻して笑った。
…さっきの、あの暴走とも言えるあたしの不可解な申し出に、結局クラウドは応えてくれた。
そして2人で繰り出した夜のゴールドソーサー。
正直、クラウドが了承してくれるなんて思って無かった。
だから、緊張して、熱くなって、どうすればいいかわからなくなって。
…けど、今は落ち着いてきた。
少しずつ、いつもの調子を取り戻せてきた。
いやなんかもう、緊張のメーターも振り切れすぎて、ぐるん!と回って戻ってきたというか…。
人間、いくとこまでいくと落ち着くもんなのかもしれない…。
だから、ちゃんと笑えた。
「…ん?」
「付き合ってくれて、ありがとね」
「…俺でよかったのか?」
「うん?どうして?ああー、楽しかったー!」
ああ、本当に楽しかった。
だってあたしはクラウドが隣にいるだけで幸せでいっぱいになれちゃうおめでたい奴だもの。本当、すんごく単純。
俺で良いのかなんて、むしろ貴方が良いんです!ってハナシ。
「…楽しかったのか?」
「そりゃもう。夜遊びとか、なんかいい響きー!」
「変な理由だな」
「はっはっはー!」
ケラケラと。
うん、いつもの調子。良い感じ。
でも…あたしはともかく、だ。
クラウドはどうだったのだろう?
前回ゴールドソーサーに来た時は、ケット・シーの加入にコレルプリズンへの投獄。
回りたいとこ沢山あったのに、全然回れなかった。
その分もあって、もうほとんど制覇したんじゃないかってくらい。
チョコボも、コースターも、そしてゴンドラも。
そんな感じで、あたしにとっては本当に最高の夜だったわけだけど…。
「クラウドこそ、どうだった?」
ちょっと反省気味に聞いてみる。
クラウドはリーダーだ。
色々な面で頼りになる、頼りにしてる。頼りにされてる。
だからきっと、大変だと思う。
ただでさえ濃ゆーい面子だもん。
うん…。絶対大変だろう。
だから、せっかく了承してくれたのだから…クラウドにも楽しんでほしいなあ…。
少しでも息抜きになる様な時間になれば…って。
…そんなこと思ったけど、でも結局あたしがはしゃぎ倒して終わった気がする感が半端ない…。
正直なところ…不甲斐ない気持ちでいっぱいだったりする…。
「なんか付き合わされた感じでしょ…?」
そう自分のお馬鹿加減に落ち込んで、ガックリ項垂れる。
でも、降ってきたクラウドの声は…優しかった。
「…別に、そんなことない」
「……え?」
「俺も…楽しかったよ」
「え、本当?」
「ああ…」
「…息抜き、なったりした?」
恐る恐る聞くと、クラウドは「息抜き?」と一瞬目を丸くしていた。
でも少し考える様子を見せて「そうだな」って頷いてくれた。
「そっか…!よかった!」
それを聞いて、ちょっと安心した。
クラウドは少しだけ微笑んでいたから。
なんか、それが無性に嬉しかった。
だってクラウドって滅多に笑わないから。
たまに小さく、こんな風に微笑むだけ。
だから嬉しいに決まってた。
「…なあ、ナマエ」
「んー?」
もう一度、窓の外の花火に目を向けたら声をかけられた。
眺めたばかりの窓から再び目を戻してクラウドを見る。
すると、こう聞かれた。
「どうして俺の事、誘いに来てくれたんだ…?」
「…え?」
その質問にきょとんとした。
でもそれと同時に…ひくっ、と顔が引きつったのも感じた。
なんでそんなこと聞くのかって驚いて、焦った。
だってそれって答え様によっては…告白になりかねない、よね…?
「そ、れは…」
なんて、言えばいいんだろう…。
すごく戸惑った。
…正直に言うとするならエアリスが行けって言ったからだ。
でもそれって、あたしがクラウドのこと気になってるって言ってるのと同じだ。
だからってエアリスの勘違いだって言うのは、否定と同じで。
叶うはず無いってわかってる。
でもわかってても、本人に面と向かって否定するのは流石にちょっと抵抗ある!
自分の中で物凄い葛藤。
そうこうしてると、クラウドは続けた。
「…そんな格好までして」
「…えっ…!」
「それは俺が…」
「…っ」
クラウドの声の度、あたしはいちいちビクビク反応してた。
俺が!?俺がって…!?
もしかしてばれてるの…!?何言われるの…!?
また緊張が襲ってきて、心臓が騒ぎだす。
でも……紡がれたその続きの言葉を聞いた瞬間… あたしは、何かを叩きつけられたような感覚を覚えることになった。
「俺が…あんたの初恋に似てるからか?」
…え……?
驚いて、そのまま見たクラウドの顔。
それが、なぜだか酷く切なく見えたのは…また、いつものあたしの作った都合のいい幻?
「…ちがっ…!」
あたしは慌てて口を開いた。
でも同時に、ためらった。
だって、その続きは想いを告げるのに、似てる…。
クラウドと、あたしの記憶のお兄さん…。
うん、ビックリするくらい似てるよ。
瞳の色以外、そっくり。
……きっと、最初はそうだった。
出会ったころ、格好いいなーってふざけたのは、きっと貴方が似てたから。
切っ掛けのひとつだったのは、確かだと思う。
…でも、今は…。
クラウドは…いつも冷静で、格好つけてて。
「興味無いね」が口癖で。
なのに…ふっと優しくて、いつも助けてくれて…。
垣間見える、その部分が…どうしようもなく、あったかくて。
何気ない、ふとした瞬間…よく思う。
あたしは…この人が好きだ。
一日一日…日の経つことに、ちょっとずつ、ちょっとずつ…。
だから、あの記憶よりも…クラウドへ持ってる今の想いの方が、ずっとずっと。
…似てるからじゃ…ない…。
「……違う、違うよ…」
花火が響く。
勇気が無くて、自信が無くて、大きな音に紛れる…小さな呟き。
だってあたしはティファやエアリスに比べて、子供っぽくて、わがままで。
武器だって振り回す。
女の子の可愛さなんて、全然ないんだよ…。
「…違うよ…、…クラウド…」
貴方に届くことなく。
無かったように…消えていった。
To be continued
最初だけエアリス視点。初の試み。
キャラ崩壊してませんよーに…!
次回も最初だけ視点変えますー。
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