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キドは複雑な表情で、僕の発した言葉を口にした

「そう!全部お遊びだよ
メカクシ団も、作戦も全部お遊び
馬鹿馬鹿しいよね?
あんなカッコつけて目隠し完了、なんてさ」

嘲笑、
―嘘、ゴメン、嘘だよ
ごめんね?
だけど、僕を脅したあの組織は

『もしも、お前が私達を裏切ったら…この銃弾はお前の頭をぶち抜くからな?』

アイツらの手にかかるなんて、嫌なんだ

「………」

目の前のキドは、怒りとか憎悪とか
世界中のそういった感情を混ぜて、ごちゃごちゃにしたような表情をしてる
どうせなら、もっと憎んで?
このまま僕を殺してくれれば
あんな奴らの手にかからなくてすむから
どうせ死ぬなら、僕は大好きな君の手にかかって死にたい
でも、君が僕を殺したら君は心を痛める、後悔する
だけどもっと憎んで、僕のことを嫌いになれば、君は後悔しなくてもすむ…
きっと2人とも幸せだ
そうだ、だから僕は嫌われないといけないんだ
なら…これも言っていいかな?

「あとね、キドと付き合ったのも、団長に近づけって命令されたから
僕の大好きも、全部嘘だよ」

嫌われないと
ごめんね、本当は大好きだから
大好きな君には、後悔してほしくない
後悔させたくないから、僕は欺く
嘘を吐く


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