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生まれた頃に戻ったみたいに
まるでいつもきみを見ているかのような錯覚
砂糖の質量
この重い想いは止められない
夜空はあの子を許しやしない
クライマックスは公正に
或いは私の物語

赤褐色のピンチヒッター
紅い舌がわたしを抉る
姫に恋する従順シェパード
穴の無い人間
穢れぬ愛は存在しない
明日が笑ったら貴方のもの
愛しの神が舞い降りた
透視したのは汚れた自我で
貴方を平服させる神になりたい

薄黄牡丹と錆びれたルージュ
彼女の名前はキューピッド
生まれたての夫婦であれ
蝶は僕らを嘲笑う
花の咲かぬサボテン
薔薇の簪欲して嘆け
愛に等号はいりません
それは哀しいスイッチ
孕んだ母胎は隙間を求める
痛むところに最愛を
ファーストキスは偽りの味

嫌いと好きの境界線
繰り返した告白劇
巡った愛の風上へ
雪が都合で降るなれば
君から貰った言葉の宝箱
空に告白した夢を見た
口が裂けても言えない約束
焦がれぬ頬紅
街のどこかの恋人たち

静けき朝のハーモニー
音符は素早くいなくなる
繋いだ小指が離れてゆくよ
狂った瞳に深い口づけを
真珠の輝きはウソモノ
片腕ついた女神の居眠り

背中に刺さる裁ち鋏
幼き娘に鬼神蔓延る
絆のない愛は切れない
宇宙の虹が咲く花畑
姫は王妃の嗜好品
愛を表す身体はふたつ
プロジェクト耐久期間
振り向く先が夢であれば

消えゆく骸はメシアを仰ぐ
腐廃臭と崩れる足枷
強盗の代償はセックスで払え
夜空に咲いた月花美人
そして彼らは永遠に

空気振動探して嘆け
汚泥の羅列は私を高める
湧いては募る誉れの蝶
かつて無いほどの栄光を
顕現するは右目の蠢き
我が身愛しき白鳥となる
女王蜂は紅く微笑んだ

悪の根源へ切り裂いて
昔枯れ果てた小さな花へ
何千万ものキスの雨
ワタシが欲したあの愛を

未来は見えない故に残酷
鼓動が降り注ぐ
箱いっぱいに詰めた星粒よ
君に辿り着くX秒前
空想ドレスでお茶会へ



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