13

「生きて帰ってきてくれて良かった、ルーク。勝手な話だが、本当にすまなかった。お前さん一人に全てを押し付けた」

四人だけになった空間で、ピオニーは頭を下げてきた。それに慌てるのはルークの方である。まさか一国の王にそんなことをされるとは夢にも思っていなかったのだ

「い、いえ!あの、頭を上げて下さい。陛下のせいではないですし、オレが自分で決めたことです」
「―――お前は優しいな、本当に」

だからこそこの鬼畜眼鏡が惚れたんだろうな、と呟く声は聞こえなかった。が、ピオニーの態度からずっと気にしてくれていたのだと分かった。国王としての世界の国民を守る為の決断は間違っているとは思わない。だが、一人の人間として後悔をしていると、ナタリアは自身の父の気持ちを先程教えてくれたのだ。もしかしたら、ピオニーも似たような気持ちだったのかもしれない

「これからお前さんはどうするんだ?世界を旅するとは聞いたが、一人でか?」
「一人で、というよりは、勝手についてくると決めたこのミュウと一緒ですね。あの旅では、行けなかった多くの場所を回りたいと思っています。少しでも、誰かの役に立ちたいんです」

あの旅で、自分の両手は血に染まった。この罪は、帳消しになることはない。だから、その償いでもある。どうやったら償いになるかは分からない。でも、旅の中でその答えを見つけたい

「……そうか。だがな、ルーク。一人で抱え込むな。お前さんには仲間がいるし、俺もいる。疲れたときは、帰ってこい。いつでも歓迎するぞ」
「ありがとうございます、陛下」
「んー、ルークは可愛いな。この鬼畜なんか止めて、俺にしたらどうだ?優しくしてやるぜ」
「へ、あの!?」

抱き締められそうになって、慌てるルークをジェイドがちゃっかりと奪い返す。ルークを自分の腕の中に閉じ込めると、ピオニーに物凄くいい笑顔を見せた。今まで共にいてその顔を何度も見たことがあるであろうピオニーが、顔を引きつかせているぐらいだから、きっと今まで以上の笑顔なのだろう

「へーいか、そろそろ恋人に気をきかせてもらえます〜?何せ久しぶりの逢瀬なので、話したいことがたーくさんあるんですよ。や(犯)りたいことも、たっぷりありますので。小難しい話は、もういいですよね〜?」

カッコの中身が聞こえてきそうで、ルークだけでなくガイもピオニーも固まった。が、そこはやはり幼馴染だ。一番先にピオニーが復活した。彼は仕方ねぇなと言いたそうな表情をして、ルークに手を振る

「頑張れよ、ルーク。ジェイド、程々にしてやれよ。行くか、ガイラルディア」
「はい、お供します」

ピオニーと共にガイも苦笑してルークに手を振る。憐みか同情かは知らないが、ガイは止めようとはしなかった。いや、止めたら自分に降りかかる災難をよく知っているであろう。ちゃっかりとミュウを連れてガイは退出した

二人きりでは広すぎる部屋が、一気に静まり返った

ジェイドは、ちゃっかりと鍵をかけ、ルークをベッドへと放り込んだ

「あ、あの……ジェイド、さん?」
「後でたっぷりとお仕置きをすると言ったでしょう?覚悟は出来ましたか、ルーク?」
「いや、全く。だから、今は……」
「問答無用ですよ。諦めなさい」

諦められるか、という抵抗は口を塞がれて封じられた。ジェイドとの舌が絡まり、クチュクチュと唾液が混ざる音が間近で聞こえる。恥ずかしがる暇もなく、あっという間に服を剥ぎ取られ、キスだけで反応している昂ぶりを触れられてしまう

「んぁっ、ジェイド、ジェイドっ」
「キスだけで、感じたのですか?こんなに私の手を汚して、いけない子ですね」

ぐるりとルークの身体をうつ伏せにして、両手を縛られる。慌てるルークの目を布で覆った。視界を奪われ、両手も自由に出来ないこの状況下に不安でいっぱいになった。少し震えるルークに、ジェイドはどこか満足をして中途半端に放っておいたルークの昂ぶりに触れる

「っあ!?」

視界を奪われているせいか、感度が敏感になっていた。ただ触れただけなのに、過度に身体が跳ねる。少しパニックになっているルークを、ジェイドはクスリと楽しそうに笑っていた

「人は視界を奪われると、他のもので補おうとするのですよ。ルークの場合は、聴覚と触覚が敏感になっているのですねぇ。セックスは初めて、でしょう?男同士でしか味わえない快感を教えて差し上げますよ」
「じぇ、いど……?嫌だよ、これ取ってくれよ!」
「駄目ですよ。言ったでしょう?これは、お仕置きだとね。私から散々逃げたことと、私以他の男には会いに行って、これからもずっと二人で旅をするという……悪い子に、ね」
「は?何、言って……!?他の男って、誰のことだよ!?オレが一緒に旅をすんのは、ミュウしか……」

混乱しているルークを再び仰向けにして鎖骨付近に口付けし、きつく吸う。何度も何度も、吸う度にルークは痛みから身体が仰け反る

「ミュウも、立派なオス……ですけど?」

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