僕に黙って何してるの?(フレルク)
もう夜も遅いから、宿屋で一泊する事になった。ルークはこっそりと抜け出して、夜空に瞬く星を眺めていた
向こうの世界も、こんな風に輝いているだろうか。そんな事ばかり考えている
(ティア、ガイ、ジェイド、アニス、ナタリア)
アッシュは無事に戻る事が出来ただろうか
「ルーク」
ぼうっと考えていると、背後から全く気配もなく抱きつかれる
「え?フレン…?」
ぎゅっと抱き締められて、身動きがとれない。いつの間に近づいてきたのだろうか
「フレン?どうしたんだ?」
「何を考えていたんだい?」
そう聞かれて、言葉に詰まってしまう。別にやましいことなどないのに
「えと…」
すると、業を煮やしたのかフレンは近くの木に押し付けられる。がっしりと腕を掴まれる
「ルーク」
突然の出来事に唖然としてしまう。フレンの瞳が狂気に満ちていくのが分かってしまった
「前の仲間が大事かい?愛しそうに名を呼ぶなんて…そんなに元の世界に帰ろうとしているのかい?僕から離れて?」
「何言って…ただ思い出していただけだぜ?」
無意識に口にしていたらしい。だが、そんな言い訳で納得してくれるはずがない
「思い出す?帰りたいのかい?残念だったね、帰さないよ」
「違うって…!そりゃ皆に会いたいけど…っ!」
余計な一言だったらしい。腕を掴む力が増してしまった
「絶対離さない!ルークは僕のものだよ。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。一生、ここにいてもらう」
ゾッとするくらいフレンが狂気に染まっていく。何が彼を変えたのだろうか
いつからこうなってしまったのか分からない。ただ、自分が原因だと分かる
ルークはフレンに自ら口付けをする
目を見開くフレンに、ニッコリと笑った
「うん、俺はフレンのものだよ。ずっとここにいるから」
次の瞬間、きつく抱き締められた。ルークの身体に回された腕がとても力強くて、まるで決して離さないとフレンの心情を表しているようだった
「ルーク、嬉しいよ。これからずっと一緒だね」
「うん、傍にいるから」
例え、君が狂気に染まっていたとしても
End
【狂気的独占欲のセリフ10題】より
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