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担任の諸岡に言われた場所は3ヶ所。
その内の1つである校門は昨日の始業式に終わらせたから、あと2つ。
中庭の花壇は思ったより広くて、虹の話しじゃ亀を置いて定年退職してしまった昨年度の彼の担任が野菜なんかも植えていたらしい。
彼が退職してしまい誰も世話をしなくなるからと、うちのクラスに係が回ってきたようだ。
どうせ諸岡が張り切って受け入れたんだろうけど。

朝校舎の花壇に水やりを、しながら虹と話し合った結果、先に校舎脇に置くプランターを作る事にした。

昼休みになり職員室に行きそれを言うと、諸岡が台車で体育館の前まで運んでくれた。

学校から支給されたプランターは30個。
対して花の苗はどう見ても足りなそうだった。

「どうする?」

俺にガーデニングの知識なんかないから虹に尋ねると、彼も困ったように笑う。

「とりあえず…今ある分だけ……」
「そうだなー、そうしよっか」

虹の言葉に同意して軍手をはめる。
虹もすぐ同じようにして、用土をプランターの中で混ぜ始めた。
俺もそれを真似て同じように用土を混ぜていく。
全てのプランターに用土を入れて混ぜると、隣で虹が手際よく苗をポットから取り出して昨日と同じように植えていく。
俺が植えられたそれに別に作った用土を被せていった。

「うーん……」
「足りない、ね……」

花の苗がなくなって曲がった腰を伸ばすしながらプランターを眺めると、3分の1ほどしか出来ていない。
どうしたものかと思案していた俺の隣で虹が腕時計を確認すると、もう昼休みが終わる10分前だった。

「また放課後考えよっか」
「うん…」

コクリと頷く虹と手を洗って教室に戻る事にした。

虹に次の授業は何だと問うと、次は英語だと言う。
昼休みに体力を使ったのだから、存分に居眠りしよう
と言うと彼がダメだよ、と笑った。







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