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一日花京院の妹になる
2017/02/25 09:54
【一日花京院の妹になること】


「…あー…ええと、…お、お兄ちゃん…?」
「………、典明」
「エッ」
「『典明お兄ちゃん』」

花京院くんが期待に満ち満ちた目で私を見ている。お兄ちゃんと呼ぶ事でさえ何だかこっ恥ずかしいというのに、何故オプションを追加されるのだろう。
キラキラとした花京院くんの眼差しから逃げるように、近くに居た承太郎くんに視線を送る。しかし、普通に逸らされた。完全に「俺を巻き込むんじゃあねーぜ」モードである。…仕方がない。

「…の…、の、…典明お兄ちゃん…」

ぼそぼそと呟くように声を絞り出す。口に出すと思ったよりも恥ずかしい。何の罰ゲームなんだ…。典明お兄ちゃん――もとい、花京院くんの顔がまともに見られない。熱くなった頬を隠すように俯いていると、花京院くんが口を開いて、すっと息を吸い込んだのが聞こえた。

「………どうしよう承太郎。僕の妹がこんなに可愛い」
「…やれやれ。乗せられてんじゃあねーぜ」

苦笑したくなる花京院くんの言葉に、無言を貫いていた承太郎くんは、深い溜息と共に言葉を返したのだった。


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