*
39/58

翌日、119番道路にて。
「ええっと、次を右ですよね?」
『ちっがああああう!左!左だから!』
「…あら?」
ヒマワキをでて早二時間、現在迷子です。
『もう…しっかりしてよ!』
「ごめんなさい…」
先ほど天気研究所を通り過ぎたので道のりの半分は過ぎているはずなのだけれど。
「それにしても雨に降られるなんて…」
『文句言っても仕方ないだろ。次、右だよ』
頭に乗った朋に指示されつつ背の高い草むらをガサガサとかき分けて進んでいく。
その姿をじっと見つめる影がいるとも知らずに。

‐‐*‐‐*‐‐

「やっと抜けましたね…」
『ホントにね。なんであの距離で半日もかかるんだか』
「あはは、耳が痛いです…」
疲れたという朋に、ボールに入って休むかと問えば
『それで今日中にキンセツにいけない方が嫌』
と却下されてしまった。
「さ、あともう少しでキンセツですよ」
いざゆかん、と歩き出せば
『キンセツは左だけど』
…見事に逆へむいて歩きだそうとしていた。
「すみません。…では改めて」
キンセツ方面へ向かって歩いていくと、海が見えてきた。
そして
「ウヒョ!金髪の女みーっけ!」
この間ぶちのめした赤服とよく似た服の変な人がいた。
「(うん、あれは)だっさい…」
「だ、ダサいだと!?…この、マグマ団幹部のホムラ様に向かってダサいだと!?コイツ、ぜってぇぶちのめす!!」
どうやらダサいは禁句だったようだ。そんなに嫌ならマントとればいいのに…。
そう思っていると、ホムラと名乗った男は一気に複数のボールを投げて、4体のポケモンが姿を現した。
三対四では少々分が悪い。直接トレーナーを叩くにしてもポケモンたちが立ちはだかるようにしているのでリスクが高すぎる。
「さっさとポケモン出せよ!ウヒョヒョ!」
「ハァ…なぜですか」
「はあ?お前がポケモンと話せる女なら倒して連れていくしそうじゃなくても目があったらトレーナー同士ポケモン勝負すんのは当たり前だろ!」
『…だそうだ。諦めろ』
いつの間にやら勝手に出てきた昴と皐月まで臨戦態勢バッチリなので私に逃げ場はないようだ。

 

  back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -