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「まったく…」
「行くぜ!ドンメル、ひのこ!ズバット、つばさでうつ!バクーダはとっしんでグラエナはかみつくだ!」
「人の話を聞きなさい!皐月、水の波動!昴は避けてかまいたち!朋、たたきつける!」
『っと、おう!』
ああもう。大体三対四とか勝っても確実に被害甚大じゃないか。
『ぐわああ!』
ドンメルくんは予想通り水に弱いらしく、水の波動でやられていた。
これでなんとか三体三、と思ったその時。

『しゃんなろー!!』

突然横の草むらから攻撃されてバクーダくんの体が傾ぐ。
「バクーダ!?」
『まったく!女の子に襲いかかるだなんて笑止千万!月に変わって断罪しちゃうぞ☆』
何処か懐かしい謳い文句とともに姿を現したのは女の子のような姿のポケモン。
乱入者に全員が固まった瞬間である。
あっけにとられてポカンとしている私たちをよそに彼女は迷うことなく私に近づき
『マーーーイディスティニー!!!!』
と叫んだ。
「え、何、お前のポケモン?」
「い、いえ、初対面ですけど…」
私もホムラさんも誰コイツ、となってしまったのは言うまでもない。
「なんか、勢いそがれちまったけどよぉ。まあいいか。ズバット、あやしい光!グラエナもう一度かみつく!バクーダいわなだれだ!」
「皐月、水の波動!朋、10万ボルト!昴、かみつく!」
バトル狂の皐月は流石というべきか、一撃一撃が結構な威力のようだ。バクーダくんも倒れて、効果抜群のズバットくんも倒れた。
「グラエナ!かみつく!」
「昴、避けてかまいたち!」
昴は懐に入ってきたグラエナくんをバックステップで回避するとそのまま纏わせていた空気のうずをグラエナくんにぶつけた。
『ぎゃああ!』
「ウヒョヒョ!!お前強いじゃねーか!!」
律儀にもファイトマネーを渡し、握手までして覚えてろよー!と去っていく背中を見送る。
「結局何だったんですかね…」
『さあな。で、お前誰だよ』
くるり、と向き合うと
『私?さすらいのキルリアちゃんでーす!よろしく!!』
「ええっと、どうも…」
テンションの高いキルリアちゃんに思わず苦笑いしてしまった。どうやら素でこういう性格のようだ。
『っきゃーっ!何この子超可愛いんだけど!!!ねぇ、よかったらあたしも連れてってよ』
にこにこ、と楽しそうな彼女からまさかの提案にぴしりと固まる。
「………皐月といい朋といい、最近はこういうのが流行ってるんですかね」
ぼそり、と呟けばそれに反応するキルリアちゃん。
『そうそうそれ!!!ってことで早くボール出して!!』
こうしてまた仲間が増えました。

 

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