仮面ストーカーと
「ジューダスっ!覚悟ぉ!!」
「!?」
突然後ろから飛び付かれ、仮面を外されると直感で感じ取ったジューダスは思わず背中に引っ付いた少女を床に叩き付けてしまった。
「あうぅ…、いたた…」
「…馬鹿が」
頭を押さえながら立ち上がるルナを冷たく見下ろす。
ジューダスにとってルナは避けたいようで避けたくない存在だった。自分の世界のある人物と重ねてしまうから。
「今日も失敗したー…」
「…何故僕に構う」
「ジューダスの隠れているようで隠れていない仮面を引っ剥がしたいから」
「ふざけるな」
青筋を立てるジューダスにお構い無しにルナはまたもやジューダスの仮面に向かって手を伸ばす。
勿論、それをジューダスが許す筈が無い。伸びてきた手首を掴み、締め上げた。
「いたたたたっ!本当に痛いっ!」
「…もうしないか?」
「しない!しないから許してぇ!」
涙目で懇願され、解放してやった。
ルナは痛む手首を擦りながらほっと息を吐く。
「大体、お前は男が苦手じゃなかったのか」
「うん、苦手。でも、不思議な事にジューダスは最初に会った時から全然怖くなかったの」
なんでだろうね、と首を傾げるルナにジューダスは内心複雑な思いが絡まった。
「なんとなくだけど、リオンに似ているからかな?」
「っ!何を馬鹿な…っ」
「だって、髪と瞳の色同じだし、背格好と声も似ているし、ピーマンと人参嫌いだし」
ぐさぐさと共通点を挙げられるルナに気が気で無かった。
なんとかして誤魔化せないものか、と考える。
「でも、違うんだよね。リオンはリオン、ジューダスはジューダスだもんね」
はっきり違うと言われ、少し驚いたジューダス。
にこにこと笑いかけるルナに笑みが零れる。
「…ふ」
「?なんで笑うの?」
「いや…、なんでもない」
ポンポンと低い位置にある頭を軽く叩き、その場を後にする。
ルナは首を傾げながらジューダスを見つめ、いつかきっとあのスカスカな仮面を剥いでやると懲りずに決心したのであった。
ジューダスはジューダスとして好きです。スキット絵の目がくりっとしているのが可愛いです。
そして彼はボケ担当だと信じています。←
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