とりあえず授業。
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「ふあぁ…」
「眠そうだな、仁王」
「腹がいっぱいになったら眠くなるのが自然の節理ナリ」
「………」
あれだけの量(菓子パン2個)でよく腹いっぱいにになるな…ι
半分呆れながらノロノロと着替える潤斗を見ていると、ブン太の携帯がメールの受信音を告げた。
「? 俺のも鳴ったナリ」
「(ちゃんと服着てから見ろよぃ…ι)」
ウェアに右腕と頭を通しただけの状態でプチプチと携帯を操作し始めた潤斗を横目に、自分も携帯を取り出す。
「!」
「?」
時折驚く潤斗を疑問に思いながら。
「(『今からそっち向かうね^^』って… あれ?俺何かしたっけ?!)」
「…ブンちゃん」
自分の行動について思い出す中、潤斗が肩を叩いて
「ブンちゃん、ウェアが裏表逆じゃ」
「あ゙」
そういう潤斗も、ウェアを半分しか着ていないが。
ブン太が慌てて着替える中、部室のドアが開き、幸村、柳生、ジャッカルが入って来る。
(潤斗は一瞬ビクッとなったが、それは本人しか気付いていない。)
「やぁ、ごめんね、遅くなって」
サッとウェアを着た潤斗は、トテテッと扉付近へ向かう。
「幸村ー、邑にマネージャー試験受けさせるって本当なんか?」
ニコニコしながら部室に入って来た幸村達は潤斗の言葉を聞いて一瞬だけピキッと固まる。
「(テメェ、もしかして言ったか?^^)」
「Σ?!(フルフルフルフル)」
「アハッ☆」と言う様な笑いでブン太に問い詰める幸村に、全力で首を横に振るブン太…
潤斗はイマイチ状況が掴めなくコテンと首を傾げていたが、とりあえず「さっき本人からメールが着た」と言っておいた。
「ああ、本人からね
良いよ、別に。仁王にも伝えるつもりだったし」
「ほーなんか」
ブン太も知っていたみたいだし、何か自分が仲間外れにされた様で少し拗ねたが、それ以上に潤斗はある事に気が付いた。
「3人とも、何で体操服なんじゃ?」
「何でって…
部活じゃないから。
いくら種目がテニスでも、一応は授業だし。」
「「Σ?!!」」
「え、マジで?!授業でウェア着ちゃダメなの?!」と焦るブン太に、ついつい癖でウェアに着替えてしまった潤斗に、幸村は更に追い撃ちをかける。
「まったく… 馬鹿だなぁ^^」
「Σっ!!」
ブン太はその言葉に全力で着替える速度を速めたが…
「…っ…ぐずっ…」
潤斗は恐怖に涙ぐんでいた…
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