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俺の無気力系弟が夢遊病なわけがない!
夜中の二時。
普段なら俺は少なくとも一時前に睡眠しているはずだが、今日はなんか寝れない……。そういう日あるよね? ま、明日は日曜だからいいんだけどさ。

「翠起きて……るわけねえか」

さすがに、すやすやしているであろう弟を叩き起こすほど、傍若無人な兄ではない。

益々寝れなくなるとはわかっていながら、つい暇を弄んでLINEを開いてしまう。こういう時、3Aに所属してると辛いんだよなぁ。美容健康習慣のため早寝してるであろう泉千秋敬人、そもそも体調管理の為に遅くまで起きていることはないだろう英智、そもそも電話に出ない宗と斑である。頼れるのは君だけだ、薫――!(男のLINEに反応するとは言っていない)ってなるから、俺ほんと可哀そう。

という訳で、こういう時の対処方法は一つ。ゲームのAPをひたすらに消費することだ。べ、別にぼっちじゃないからネ。

ぽちぽち無音で進めていく。もちろん、睡眠できるようになりたい俺が選ぶのは作業ゲーだ。画面の光も一番小さくして、眠気を誘う作戦。意外とこれで、毎回眠くなる。

十五分くらい経っただろうか、ほら眠くなってきた。さっさとスマホの電源を切って、枕元に置く。

(眠れる……おやすやぁ……)

と思うじゃん??

ガチャ、と俺の部屋の扉が開く音がした。え、誰?

「……」

無言で入ってきたのは、弟でした。
え? マジで? おまえも寝れなかったんだ奇遇だな! と親近感のあまり起きて声をかけようとしたんだけど、いきなり弟が自分のベッドに乗り込んできた。

「兄さん……」

横を向いて寝ているふりをしていたので、翠の大きな手が頭の横に置かれたのがよくわかった。……え、それマ?(時差) 高身長イケメソ弟が俺の体に覆いかぶさってんだけど、どういうことなの??

そ、そういえばコイツ、眠りが浅いんだったっけ!? もしかしてお兄ちゃんのことゆるキャラのお人形さんと間違えてるのかな? やっぱり俺の弟は天使なんじゃ〜^^ ……え、それは眠りが浅いんじゃなくて夢遊病だって?

とかなんとか現実逃避してる俺なんだけど許してほしい。いや、普通深夜二時にお兄ちゃんの部屋に来てベッドに乗り込んでくる?? 来ないよね??

「はぁ……また起きちゃった……鬱だ……寝れないし……」

そう言いながら、俺のベッドに横たわらないで貰えますかね?? 寝る気満々では?? と迸るツッコミ欲を抑えながら、どうにか狸寝入りを決め込む。弟のプライドに関わるからね! 俺、これでも優しいお兄ちゃんだから!

「でも、名前兄さんの匂いに包まれたら、眠くなるし……いいよね?」

よくないです。良くないので俺のうなじに顔をうずめないで欲しいし、布団を半分くらい奪わないでほしいし、俺の脚を撫でないで欲しいんですがそれは。てか最後のに至っては匂い関係ないよね!?

結局十分間くらい俺のベッドを占領して「ねむい……」とか言って去っていった翠。おかげさまで俺はまったく眠くなくなったので訴訟。

試しに翌朝「翠のお兄ちゃんやめます」って言ったら、ちょっと嬉しそうな顔して「え、じゃあ何になるの……? 彼女とか?」とか聞いてきたから絶対ころちゅ……! てか彼女ってどないやねん工藤。


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bkm