俺のモン

!青峰がゲスい、DV、暴力表現多数有り!


「あ、そだ桜井。こないだの課題、あれで良かったみてーだ」

「へっ!?、え、と…そ、の…っ……」

「桜井?どうした?課題の礼言おうとしただけなんだけど、」


練習中、相変わらず威勢がいい若松に突然静かに話しかけられ驚きと動揺を隠しきれない様子で当たりを確認する桜井。その姿を見ていつもより明らかにおかしいと思った若松だがこれもまたコイツなりの反応なのだろうかと気にも止めずまだ話を続けようとする若松。


「お、お礼なんて大丈夫ですよ、スミマセンッ、わざわざそんなことで僕に話しかけるなんてっ、スミマセンッスミマセンッ!!」

「…あ?ま、まあお前がいいならそれで…て、お前そのア」


最後まで何かを伝えようと口を開く若松だったが最後まで聞こうとする桜井の姿は一瞬にして消え、遠くまで走って行った。

若松が気がついた桜井の異変。しかしそれに気付いていたのは若松だけではなく、既に今吉、諏佐、桃井、と誰も何も口に出しはしなかったが桜井の身を心配していた。


「…あの桜井の腕のアザ、どう見てもただもんじゃねえ…それに足にも首にも…?」


Tシャツやハーフパンツでは隠しきれていない数カ所につけられていた痣。どう見ても転んだだけでケガしたような痣ではなく、誰かの意図的な暴力によってつけられた痣ではないかと若松や他の皆も考えていた。だけど試合に何度か見えていた桜井の家族の誰かにやられたようには到底考えられず、誰も桜井を助けられないでいた。



「…良」

「ーーーっ、!!あっ、青み、ねサン…っっ、」


その日の練習終わり、身支度を済ませて部室から出ようとした桜井を呼び止めたのは他でもない、…青峰大輝だ。


「一緒に帰ろうぜ、良。」

「え、と、は、ハイッ…か、帰りま、す…っ」

「お疲れしたー」

「お疲れ様、でした…っ」

「おー、お疲れー」


部室を出て校門を抜けて向かう先はいつもの人通りのない裏道。
今日こそは、今日こそは青峰に捕まるわけにはいかないと誰にも気づかれる事なく部室を後にしようと決めていたのに。アッサリ青峰に話しかけられ、ちゃっかり青峰の隣に並んで歩いている情けない自分を恨む。


「良、」

「は、ハイッ」


上から聞こえた低い声に恐怖のあまり声が裏返る。今日はもうこのまま何もされずに帰りたい。無事に自分の部屋に帰りたい…そう願ったはずなのに。


ガッシャン!!!


「ーーっ!!いっ、!!?」

「若松と何で話したんだよ。俺との約束はどーしたんだよ、!良!!」


人通りの滅多にない裏道に入ると青峰は力一杯桜井をフェンスに突き飛ばした。そのフェンスの端の部分が切れていて飛び出していた針金が桜井の頬を後ろから掠める。…何かが頬をつたる。きっと、掠めた頬が針金によって切れ、出血したのであろう。

だがそんなことも御構い無しに青峰は怒鳴る。怒鳴る。怒鳴る…今日は誰といつ話した、何故話した。どこで誰に触れられた、何故触れさせた。そんな桜井を一方的に攻め立てる内容ばかりである。


「スミマッ、センッ…っ、!!」

「謝って許されねえことくらいもう分かってんじゃねえの?」

「ンンッ、痛…っ!!!あ、おみ…っ!!!!いーーーーー…っ!」


今度はコンクリートの地面に身体を叩きつけられ、間髪いれずに青峰の右足が容赦無く桜井の頭を地面に押し付ける。
謝る以前に、もう彼に何を言っても分かってもらえない。何を言っても無駄。そのことを全てわかっている桜井はただただ青峰から繰り返し受ける暴行に黙って耐えるしかない。息が出来ず、鼻の骨が折れそうな程の上からの青峰の力に精一杯抵抗をして痛いともがくことしかできない。


「良、別に今ここで俺のモンにしてもいんだけどよ」

「ひ、…っ!!くっ…ーーーー」


足が離され、地面から顔をあげようと力を込めると後ろ髪を力強く引っ張られ無理やり青峰と顔を合わせる形になる。次に桜井の首に両手を這わせ、その手に力を込めた。
突然の喉への衝撃に桜井の身体が強張る。


「けど、それじゃあちょっとつまんねーから」

「ひぎぃ…ーーーーー!!?」


更に青峰は両手に力を込める。すると面白いくらいに桜井は顔を歪ませ、赤くなる。青峰の両手に自分の手をかけなんとか外そうと試みるものの叶わずだんだんと桜井の全身の力が弱くなっていく。乾いてカピカピの桜井の唇が微かに動き、地面にダラりと落ちている腕の先の指がピクピクと動くだけ。


「死なない程度に俺のモンだって印つけてやっから完全に俺のモンになるまで待ってやるよ」

「ンはっ、!!…ひゅー、ひゅー、ひゅー……っ」


今までで一番身の危険を感じた桜井だったが、声を出すことも逃げ出すこともできず目の前の青峰から逃げる術を何ひとつとして持ち合わせていないことを知ると空気が欲しい欲しいと騒ぐ肺に空気を入れるたびに悲鳴をあげる喉を抑えながらもうこの人に殺されるしかないと思った。


「ぼく、は…ころさ、れ、る…っッ……、」


青峰が消えたこの裏道に一人桜井が残された。桜井は未だ喉を抑えながらそんな言葉を涙と共に零し、もう動かない身体を必死に立ち上げ、そこら中に散乱している私物を拾おうとしている途中で力尽きた桜井は倒れこんだ。


僕は、青峰さんが怖い。怖い。怖くて仕方が無い。一日一日、と増え続けるもう隠せないケガや痣を見ていつ死ぬか分からない日々に、いつ殺されるか分からない青峰さんに怯えている。


その日はまた数十分した頃に目が覚めてボロボロのまま帰宅し、明日の学校に備えて支度をはじめる。

…自らの意思で死ねなかったことにいつも後悔する。



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ファーーーーーーー!?
取り敢えず狂ってる青峰とケガとかでやばい桜井くんかきたかっただけです!ごめんなさい!!!
…因みに、この青峰と桜井付き合ってないんです。青峰がストーカーみたいな。
監禁モノとかも書いてみたいっす




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