* サンタに願いを *
「やぁルルーシュ、何をしてるの?」
「靴下を作ってるんだ。もうすぐクリスマスだからな」
「もしかしてルルーシュ、まだサンタさん信じてるの。可愛いね」
「ち、違う!これはナナリーへのプレゼントを入れるためので、」
「知ってるよ。毎年、ルルーシュがサンタになってあげてるんだって?」
「ナナリーの喜ぶ顔が見たいからな。もうサンタが俺だって、感づいてる年頃かもしれないけど」
「優しいよね、ルルーシュは。靴下から用意してくれるサンタなんて、普通いないよ」
「プレゼントにオルゴールを買ったんだが、普通のサイズの靴下には入らなくてな。だから今、大きめの靴下を縫っているんだ」
「別に、入らないなら無理に靴下に入れなくてもいいんじゃないの?」
「何を言ってる。そもそも、靴下にプレゼントを入れる起源としてその昔聖ニコラウスが…」
「あーはいはい。ルルーシュはそういう細かいところにこだわるタイプだったね」
「おいスザク、まだ話は終わってな…」
「でも、僕も靴下にプレゼントを入れる風習には賛成かな。実はもう、自分用に靴下を用意してあるんだ」
「へぇ…?どれ、見せてみろ」
「ちょっと待ってね、すぐ取ってくる」
「…くすっ。スザクも、なんだかんだで可愛いところがあるじゃないか」
「じゃじゃーん!!これが、僕の靴下だよ!!!!」
「………………、スザク」
「なに、ルルーシュ?」
「これは。『靴下』とは、言わないぞ」
「うん。そうだね、寝袋だね」
「お前…。靴下の代わりに寝袋吊るす奴なんて、見たことも聞いたこともないぞ!?」
「だったら、僕はその常識を…ぶっ壊す!!」
「勝手に、人のセリフを乱用するんじゃない…!」
「だって、靴下じゃやっぱり入らないと思うから……」
「ま、まさか…。スザクの欲しいプレゼントって、」
「るr」
「最後まで言わなくていい…!!」
「…………」
「…………」
「…なんで、分かったの?」
「お前の考えてることくらい、バカでも予想はつく」
「言わなくても通じ合えるなんて。僕たちが、深く愛し合ってる証拠だね!」
「お前の思考が単純明快なだけだ」
「ねぇ、ルルーシュサンタ。僕にもちゃんと、プレゼントくれる?」
「スザクがいい子にしていたら、な」
「いい子にしてる!いい子にしてるから!」
「……でも、寝袋は用意しなくてもいいからな」
「えぇっ。なんで?」
「そんな狭い袋じゃ、一緒に寝ることができないだろ」
「…!!」
「ちゃんと、ベッド半分空けて待ってろよ」
「うん、待ってる!!ありがとう、サンタさん…!」
プレゼントの名前は、サンタクロース。
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