04



こいつ・・・いま、なんていった?



  跳ぶ?




どこに?





見上げると、そこには大きな船が。



ああ、こいつも海賊か・・・・・・。


なんか、もーどーにでもなれって感じ・・・





『どうせ人生お先真っ暗よ・・・』


「は?頭大丈夫か、お前?」



『失礼な。』




スッ!!

ダンッッ!




はい、人生最大の大ジャンプ。




ほんとに跳んだ。


や、飛んだ。






「じゃ、これから親父んとこ連れてくから。」


『え?!何言ってんの?』



ほんとに私は海賊船へ?

数ヶ月前カムバック??




「ああ、お前はこれから俺の仲間だ。」






『・・・・・・・・・・は?』




仲間?


こっちこそ聞きたい。お前の頭は大丈夫なのか、と。




というか、大丈夫じゃないだろう。




見ず知らずの、怪しい女をいきなりとっ捕まえて、仲間??



おかしいにも程がある。









「親父ぃ!!帰ったぜ!!!!」


『!!』




考えながら歩いていたら、ふと気づけば"親父"と呼ばれる男のもとへ来ていた。






でかい。






「おお、エース帰ったか。あん?そっちの女は何だ??」




『!』




「女??!」


「おい!エースが女連れてきたぞ!!」




矛先が自分に向けられる。

分かりきっていたけど、怖い。






『あ・・・えと・・』



「俺が誘拐してきた。こいつ、今日から仲間だ!!」




「なんだと?誘拐だあ??」





「ああ。こいつ、良いやつみたいなんだけど、村で追われてて。」





こいつ・・・


マジで言った。仲間にするって。




信用して・・・良いのかな。







『・・・リオルーク・レンです。
この・・・エースさんに助けられました。

雑用でも何でもやります!どうかおいてください!!』




とりあえず土下座で、大声を出した。



自分の声が響くのを感じる。

エースさんが隣でふ、と笑うのを感じた。






「グララララ!!!おもしれぇ!エースが見込んだ女だしな。おい!」



『は、はぃ!』





「お前は、今日から俺の娘だ!!!」







娘。



そうか、だからこの船の人たちは、この人を親父と呼ぶんだ。




ほんとの親がどこにいるのか、誰かも分からない。


生まれたときから一人だった。




  うれしい




涙が目からあふれだした。







『・・・はぃ!親父さん!!!』










.


[ 5/72 ]
[*prev] [next#]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -