03

『…私が、何したっていうのよ……!』




村から入江に向かって走る影。




現在、噂の的となっている少女、レンだ。






"異色"といわれる黄色の髪に瞳。
普通の人の持ち得ない能力のある身体。




恐怖は、人を殺せる。




何度、この身を恨んだだろう……






それでもまだ生き続けられるのは、あの人の言葉があるから。




「お前は!生きて良いんだ!!」





五年間もの間捕われていた私を救ってくれた人達。



数人で船に乗り込んできたかと思えば、あっという間に大人数の海賊をのして、捕まっていた私を助けてくれた。













「いたぞ!!!」





ビクッ



振り返れば、武器を持った村人。




『っ…』



やばい!!囲まれた…!


レンを取り囲むように立つ十人ほどの男達。




逃げる為にこいつらを倒すのは簡単…だけど、


私は…




「おい化け物!!!貴様、ついに本性を出しおったな…!」




『っ!!…私は!子供に手をあげてなんかいない!!!』



「嘘をつくな!化け物の言うことなど信用できるものか!!!」






バケモノ




涙が頬を伝うのを感じる。




あぁ…信じてもらえないって……



こんなに辛いんだね…。






せっかく助けてくれたのに


私、もう生きてく自信が無いよ…


ごめんね




ルフィ…







ズオッッ!!!





「?!!」



レンが俯き、涙を噛み締めた瞬間、大きな音が響く。


驚いて顔を上げれば、村人とレンとの間に炎が走っていた。




『なに・・・これ・・・。』





「おい、行くぞ。」



『きゃゎっ?!』




ちょ、ちょ、ちょ・・・

何で、


私、




  この人に姫抱っこされてんの?




『なっ、なに?あなた・・・』


「あ、俺エースってんだ。よろしく。」




『よろしくって!あなた、何してんの?!』



「何するって・・・救助。」



『はっ?!』




ば、馬鹿なんじゃないの?


見知らぬ女がいて、しかもその女は村人に追われるような危険なやつで・・・



   助ける?




『・・・馬鹿?』



「あ?助けてもらっといて馬鹿とはなんだ、馬鹿とは!!」






あからさまに怒りを見せてくるなあ・・・

まあ、私が悪いんだけど。



・・・てか、降ろしてもらいたい。

自力じゃ降りれないから。



だって、この人・・エース?だっけ。

私を抱えながら猛ダッシュしてるし。





「何黙ってんだよ。おら、跳ぶぞ。」






  「は?」





.


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