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目を閉じると、レンの開いた両手の平に光る球体が現れた。
「…なんだありゃ……」
驚くエース達をよそに、白ひげは楽しそうに見つめる。
「おい、アレ、なんだ……?」
「分からねぇが…なんかまずいんじゃねぇのか……?」
白ひげの船に光る何かを見つけ、恐れた海軍は、8隻の船による一斉爆破を試みようとし、砲撃準備を始めた。
「親父!!!まずいよぃ!!!!」
いち早くマルコが海軍の行動に気づき、白ひげに伝える。
「グラララ…レンが大丈夫って言ったんだ。娘を信じるのも親父の必要なことじゃねぇか。」
「っ……」
「まぁ黙って見てな。」
この時感情を表に出していたのはマルコだけでは無かった。
船員のあまり見ていないところで、エースは内震えていた。
手が出せない悔しさ、大切な人を戦いの最前線に出すことの恐ろしさに…
光る球体がハンドボール程度の大きさになると、目を見開いて、両手を前に突き出し重ねた。
『政府だろうが海賊だろうが………
私の家族に手を出すのは許さない!!!反壁光!!!!!』
ズドンッ!!!!レンが何かを唱えると同時に、海軍から一斉砲撃が行われた。
爆発音とともに、土煙が立ち込め、クルー達の視界が奪われる。
「っな…………」
エースが目を開け、視界を懲らすと驚いた。
「何で、海軍の船が潰れていやがるんだ………」
砲撃を受けたはずなのに無傷のモビー・ディック号に白ひげクルー達。
そして各々大砲を一撃ずつ喰らい、8隻全てが大破している海軍。
他のクルー達も驚きを隠せない。
ただ一人、レンだけが笑顔で白ひげに向かっていた。
『任務完了ですっ!親父さん!!!』背後では海軍が沈みかけながら去っていく。
白ひげは、口角をくっと上げると、豪快に笑いだした。
「グラララララ!!!!!おい息子共!!宴の準備をしろ!!!!」
「「うおおおおおおおお!!!」」
「すげぇぞレンー!!!!!」
先程レンが何をしたのか未だ分からないクルー達だったが、海軍8隻を追い払ったという状況を理解すると、大声で叫んだ。
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